抗がん剤治療の『頭皮冷却』とは?|自宅で冷やすケアと分けて、治療先へ相談する

抗がん剤治療の説明を受けたあと、『頭皮を冷やすと、髪が抜けにくくなるらしい』という言葉を見かけることがあります。冷たいタオルや、市販のひんやりしたケア製品を思い浮かべるかもしれません。

医療で行う頭皮冷却は、治療に合わせて専用装置などを使う方法です。家庭で頭を冷やすお手入れと、同じものとして考えないでください。関心がある場合は、自分で道具を買う前に、抗がん剤治療を受ける医療機関へ相談するところから始めましょう。

どんな目的で行うのか

国立がん研究センターのがん情報サービスでは、薬物療法に伴う脱毛を軽減する目的で、点滴中に頭皮を冷却する装置を導入している施設があると紹介しています。[1]

春日井市民病院の2026年9月9日更新の案内では、専用キャップに冷却液を循環させる医療機器を説明しています。一方で、使用しても脱毛が起こり、ウィッグが必要になる場合があるとされています。『受ければ髪が一本も抜けない』という約束ではありません。[2]

この説明を、そのまま家庭の冷却用品や清涼感のあるシャンプーの効果へ置き換えることはできません。装置の使い方を自宅で再現しようとせず、治療チームと相談してください。

相談で確かめたいこと

最初から詳しい医学用語を覚える必要はありません。次の三つを聞ければ、生活の予定に結び付けやすくなります。

  • 私の治療では対象になるか。通院先で実施しているか、いつまでに相談すればよいかも合わせて確認します。
  • 一回の滞在時間はどのくらい延びるか。春日井市民病院も、通常の抗がん剤治療より時間がかかると案内しています。帰宅手段や付き添いの予定を考えるための質問です。[2]
  • 総額はどのように決まるか。同院の案内では保険適用外で、処置とキャップに費用がかかります。施設や使用方法で条件が異なるため、他院の金額を自分にそのまま当てはめず、通院先の説明を受けてください。[2]

説明を聞いている間に不安や疑問が出たら、それも相談してかまいません。『髪のことが気になっている』という一言から始めても、話の入口になります。

受ける・受けないを、自分の条件で考える

髪を残したい気持ちも、治療の日の負担をできるだけ小さくしたい気持ちも、大切なものです。効果への期待だけでなく、時間、費用、自分の体調を合わせて考えてよいのです。

受けない場合や対象にならない場合も、お手入れを怠ったということではありません。脱毛への備えや、帽子・ウィッグなど外見の変化への対応は、別に相談できます。髪や頭皮の痛みなど困ることがあるときも、身近な医療者へ伝えてください。[1]

今日決めることを増やすより、まずは選択肢の名前を知り、相談先を一つ確かめる。それだけでも、準備は一歩進みます。

日々のお手入れについては、抗がん剤治療で髪が抜け始めたときの洗髪準備も参考にしてください。治療先の指示がある場合はそちらを優先します。

参考資料

[1]国立がん研究センター がん情報サービス『脱毛』。[2]春日井市民病院『頭皮冷却装置のご案内』(2026年9月9日更新)。資料確認:2026年10月23日。

編集:KIWABIヘアケア編集部。本記事は相談準備のための一般情報です。適応や治療方法は、担当の医療者に確認してください。

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