今回は黒髪をつくる原料となる栄養素『チロシン』について、多く含む食材やレシピをご紹介したいと思います。
体内のチロシンが減少すると、白髪が増えると科学的に解明されています。チロシンを摂取してエイジングケアをしていきましょう!
1. チロシンは白髪の予防・改善に不可欠!

チロシンは非必須アミノ酸の一種で、神経を伝達するホルモンやその他の様々なホルモンを作る、体内で重要な働きをする栄養素。そんなチロシンにはホルモン生成以外にも髪の黒色色素であるメラニンの原料になるという役割もあります。そのため、白髪の予防や対策を考えている人は特に注意したい栄養素になります。
非必須アミノ酸は体内で作ることもできますが、チロシンを合成するために必要になる栄養素が足りていない場合には量が不足してしまうこともあります。チロシンが不足してしまうと、ホルモンなどほかの生命を維持するのに必要なものに優先的に使用されることになり、髪の毛は後回しにされてしまいます。その結果、白髪になりやすくなってしまうのです。
体内でも合成されるチロシンですが「気づかないうちに足りなくなってしまった」ということにならないように、普段の食事でも積極的に摂取するように気をつけたいですね。
1日に必要なチロシンの摂取量

それでは、チロシンの1日の摂取量の目安はどれくらいなのでしょうか?
一般的には500mg~2,000mgが必要と言われていますが、ちょっと摂取量に幅がありますよね。
成人の場合は1日に約1,500mgを目安にするとよいでしょう。白髪が気になる人は、毎日1,000mg~2,000mg程度のチロシンを摂取をするようにしてください。
チロシンを多く含む食べ物

それでは、何をどれくらい食べればチロシンを摂取することができるのでしょうか?チロシンを多く含む食べ物は下記になります。
チロシンを多く含む食べ物(食品100gあたりの含有量)
・ナチュラルチーズ(パルメザン) 2700mg
・ナチュラルチーズ(チェダーチーズ) 1400mg
・かつお節 2600mg
・高野豆腐 2200mg
・大豆 2000mg
・たらこ 1100mg
チロシンは乳製品や大豆に多く含まれることで有名ですが、クロマグロや豚ロース、アーモンドなどのナッツ、しらすなどにも多く含まれています。なるべく身近な食べ物で無理なく摂れるのは嬉しいですね。
例えば、豆腐の場合、1日200g(約1/2丁)で1日に必要なチロシンを摂取できます。出来るだけ3食バランスよく、いろいろな食べ物からチロシンを摂ることを心掛けたいですね。
チロシンを摂取する時に注意するポイント

チロシンを過剰摂取すると・・・
チロシンは食品に含まれる量での摂取では副作用がないといわれています。
ただし、サプリメントで過剰摂取してしまうと、メラニンが増えてシミ・そばかすができやすくなったり血圧が上昇したりということもあります。また、稀にですが吐き気や頭痛、胸やけ、関節痛などの症状が現れることもあります。なるべく食べ物から摂るようにしたいですね。
効率的にチロシンが摂れる食べ合わせ
チロシンには吸収率を高めてくれる相性のよい栄養素があります。
それが、『ビタミンB12』『鉄分』『葉酸』です。この3つの栄養素は血液を作るために重要な栄養素なので、同時に摂取すると効率がアップしますと。それぞれの栄養素が豊富な食材の例は下記になります。
ビタミンB12が多い食べ物の例 しじみ、赤貝、あさり |
鉄分が多い食べ物の例 牛肉、パセリ、卵黄 |
葉酸が多い食べ物の例 焼き海苔、レバー、ホウレンソウ |
また、血糖値が低いとチロシンの吸収が悪くなるので、血糖値を上げる糖質も一緒に摂るとよいでしょう。バナナやりんご、キウイフルーツには糖質、チロシン両方含まれているので、デザートに食べるとより効果が期待できそうですね。
2. 編集部おすすめ!チロシンをたっぷり摂れる料理レシピ
それでは、チロシンをたっぷり摂ることができるレシピをご紹介したいと思います!
おすすめレシピ① 豚肉ホウレンソウ炒めの簡単豆腐のせ

チロシンが多く含まれるお豆腐とかつお節、鉄分の多い豚肉と葉酸が多いホウレンソウを使った簡単料理です。あっという間にできるので、時間の無い時でも手軽にバランス良くチロシンが摂れますよ。
ホウレンソウのかわりに葉酸が多く含まれているアスパラガスを使うのもおすすめです。アスパラガスを使う時は下茹でして柔らかくしてから豚肉と炒めてくださいね。
材料(2人分)
・豆腐 1丁
・豚肉(薄切り) 3枚
・ホウレンソウ 1/2把(約100g)
・かつお節 適量
・ゴマ 適量
・ゴマ油 大さじ1
<調味料>
・ポン酢 大さじ2
・しょう油 大さじ1
・日本酒 大さじ1
作り方
① 豆腐は4等分に切って、器に乗せておく。
② 豚肉は細切り、ホウレンソウは2㎝に切る。
③ フライパンにゴマ油を入れて中火にかけ、豚肉、ホウレンソウを炒める。
④ 豚肉とホウレンソウに火が通ったら、<調味料>を全て入れ、全体に調味料がなじむまで炒める。全体に混ざったら火を止める。
⑤ 豆腐に④をかけ、仕上げにゴマとかつお節をのせる。
注意したいポイント・コツ
豆腐は早く器に乗せておくと水分が出て味が薄くなるので、豚肉ホウレンソウを炒める直前に切るようにしましょう。
フライパンに調味料を入れて炒める時には炒めすぎに注意してください。お肉が固くなってしまいますし、ホウレンソウに含まれるビタミンCなどの熱に弱い栄養が失われやすくなってしまいます。
ここでは冷たい豆腐の上にのせるという形でしたが、レンジで温めた豆腐に具材をのせるのもOK。体の内側から温まりますので、寒い時期にピッタリですよ。
おすすめレシピ② お好みチーズとりんごのサラダ

チロシンが多くて有名なチーズと、チロシン+糖分が入ったりんごがメインの大人のサラダです。
ベビーリーフやナッツも入っているので栄養のバランスがよく、見た目も華やかな一品です。朝食にはもちろん、ワインとの相性も抜群なのでディナーにもおすすめですよ。
材料(2人分)
・チーズ(ブルーチーズやカマンベールチーズなどお好みのもの) 30g
・りんご 1個
・ベビーリーフ 100g
・ナッツ(くるみ、アーモンドなど) 大さじ2
<ドレッシング>
・りんご酢 大さじ2
・オリーブオイル 大さじ1
・はちみつ 小さじ1
・塩 小さじ1/3
・ブラックペッパー 適量
作り方
① ナッツはトースターで軽くローストし香りを出した後、すりこぎ棒などで粗めに砕いておく。
② よく洗ったりんごは、芯を取って皮付きのまま5mm程度に薄くスライスする。
③ 洗って水を切ったベビーリーフを器に盛り、りんごをその上に並べる。
④ 食べやすい大きさにしたチーズと砕いたナッツをかける。
⑤ <ドレッシング>の材料をボウルでよく混ぜ、さきほどの器にいれた材料にかければ出来上がり。
注意したいポイント・コツ
お酢はお好みのものでよいですが、りんご酢にした方がまろやかになります。はちみつが入ったドレッシングなので、ブラックペッパーを効かせると味が締まっておいしくなりますよ。
盛り付けはザックリ混ぜる感じでもよいですが、チーズとりんごを交互に重ねると一体感のある味になり、見た目もよりオシャレになります。時間があるときやおもてなし料理で使う際にはぜひキレイに盛り付けてみてください!
3. チロシンは摂るタイミングも大切!

今回は黒髪に必要な栄養素『チロシン』についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
チロシンは食べてから約2時間後に血中濃度がピークになるといわれています。夜ご飯にチロシンを摂れば、寝ている間に活発に分泌される成長ホルモンによって効率的にキレイな髪の毛をつくることができそうですね。
また、成長ホルモンは夜間だけでなく運動後やリラックスをしているときなどにも分泌されることが分かっています。食事での過剰摂取があまり問題ではないといわれているチロシンですが、効率を考えると一度にまとめてドカンと摂るのではなく3食でバランスよく摂った方がよさそうです。
チロシンはチーズや大豆製品など、身近で簡単に摂取できるものに多く含まれているのが魅力です。少し意識して食べるだけで、今生えている白髪も黒髪に戻るかもしれませんよ。
チロシンについてやチロシンを摂ることができるレシピは、次の記事でも紹介されています。ぜひ参考にしてみてください!
【本記事の要約】 チロシンは白髪予防に不可欠なアミノ酸で、メラニン色素の原料となる重要な栄養素です。成人は1日約1,500mgのチロシン摂取が推奨され、白髪が気になる人は1,000mg~2,000mgの摂取が望ましいとされています。 チロシンを多く含む食材: - ナチュラルチーズ - かつお節 - 高野豆腐 - 大豆 - たらこ - クロマグロ - 豚ロース - アーモンド チロシンの吸収を助ける栄養素: - ビタミンB12 - 鉄分 - 葉酸 注意点: - 食品からの摂取では副作用はない - サプリメントの過剰摂取は避ける - 血糖値を上げる糖質と一緒に摂取すると効果的 記事で紹介された2つのレシピ: 1. 豚肉ホウレンソウ炒めの豆腐のせ 2. チーズとりんごのサラダ チロシンは食後約2時間でピークに達し、夜間の成長ホルモン分泌と相まって効果的に作用します。3食でバランスよく摂取することが推奨されています。 |