1998年に公開された「リング」で一躍有名になり、長い黒髪はホラー映画の象徴ともいえる存在になりました。しかし、貞子の髪はなぜあんなに長いのでしょうか。
また、顔を隠すような髪の下ろし方にも何か意味があるように思います。そこで、この記事では貞子の髪はなぜあんなに長いのか?についてご紹介しようと思います。
1.貞子とは一体何者!?

まず、貞子とは一体何者なのかについてご紹介します。
貞子の本名は、山村貞子です。原作では、貞子の母親である山村志津子が伊豆大島沖で発見した役小角(えんのおづの)の像を拾い、超能力を授かります。
その翌年に貞子はこの能力を引き継いで生まれるのです。父親は、妻子持ちで志津子とは不倫関係にあった心理学者の伊熊平八と言われています。
彼は志津子の超能力を知らしめるためにマスコミを招いて公開実験を行います。しかし、実験が失敗に終わりマスコミに叩かれたことで志津子は発狂するのです。
そのまま、志津子は火山の火口に身を投げる形で自殺をしますが、母の死後も貞子は超能力は保ったままでした。そして、18歳で入団した劇団の演出家が変死するなど、後に怪奇現象を引き起こしてしまいます。
その翌年、19歳になった貞子は、父親が結核を患い入院していた診療所の担当医である長尾城太郎に強姦された挙句、井戸に突き落とされます。しかし、井戸から落ちた貞子は即死せず、井戸の中で病におかされて死んでしまうのです。
死後、怨霊として蘇った彼女の容姿は一変していました。身長は160cm弱ほどで、腰近くまで伸びた黒い髪を振りかざし、顔は見えません。
このような容姿は映画版で正確に再現され、当時の観客を恐怖の底に突き落としたほどでした。
2.貞子の髪が長い理由
貞子の髪の長さは推定で約60cm〜70cmくらいだと言われています。直立姿勢で肘くらいまで髪が垂れ下がっており、貞子の身長は160cm弱と言われているので、推測してもちょうどそれぐらいです。
貞子は井戸の中で30年近く生きていたと言われており、顔は腐敗し、人間とはかけ離れてしまった容姿になっていたのです。
もともと美女であった貞子は容姿については人一倍プライドが高いと言われています。そのため、呪いをかけるときや人に襲いかかるときには、顔を出したくないため髪で顔を隠していると考えられています。
ただし、作品によって貞子の設定は変化しているため一概にはすべて顔を出したくないとは言えないかもしれません。
3.人の髪の毛は一年間で約12cm伸びている

貞子と言えば長い髪が印象的ですが、あの長い髪はどのくらいの期間延ばせば可能なのでしょうか。
人の髪の毛の伸びる長さは基本的には共通しています。日本人の場合、1日に0.4mm伸びると言われています。
つまり、1ヶ月で約1cm、1年で約12cm伸びるのです。したがって、貞子の髪は60cm〜70cmと言われているため、約6年くらい伸ばし続けている計算になります。
しかし、髪の毛の伸び方は頭皮環境などによって違いが出てきます。髪の成長スピードに差が出るのには3つの理由があるのです。
◆血行不良
頭皮の血行がスムーズな人は、正常な早さで髪の毛が伸びます。その逆で、頭皮の血行が悪い人は、成長スピードが遅くなるのです。
頭皮の血行が悪くなると、髪の毛の成長に必要な栄養が届きません。とくに、たんぱく質や亜鉛、ビタミンなどの栄養が必要不可欠です。
◆バランスの悪い食事
髪の毛の成長には、たんぱく質や亜鉛、ビタミンといった栄養が必要です。とくに、髪の毛は約90%がたんぱく質でできているため、たんぱく質不足は髪の成長に大きなダメージを与えます。
また、亜鉛は摂取したたんぱく質を髪の毛に変えるときに必要な栄養素です。そのため、たんぱく質はしっかり取れていても亜鉛が不足していると髪の毛は伸びにくくなります。
さらに、ビタミンはタンパク質や亜鉛の吸収率を高める働きがあるため、ビタミンが不足すると吸収率が悪くなり、髪の毛が作られにくくなるのです。
この他にも、髪の成長に必要な栄養はありますが、とくに、たんぱく質や亜鉛、ビタミンは意識的に摂取する必要があります。
◆質の悪い睡眠
日常的に睡眠不足を感じている人は、満足に睡眠が取れている人に比べて髪の毛の成長スピードは遅い傾向にあります。なぜなら、髪の毛が伸びるのは、睡眠中に分泌される成長ホルモンが関係しているからです。
成長ホルモンには、体内に入ってきた栄養をエネルギーとして使えるように変える働きがあり、この働きによって体内に入ってきた栄養が、髪の毛の成長に使用されます。
成長ホルモンは睡眠中の深い眠りに入っているときに多く分泌されることがわかっています。そのため、深い眠りが短い睡眠不足の人は成長ホルモンが正常に分泌せず、髪の毛の成長スピードが遅くなるのです。
4.まとめ
貞子は、髪の長い容姿が印象的ですが彼女の過去は強姦された挙句、井戸に突き落とされた経験を持つ悲しい女性でもあります。ただ人を呪うためだけに井戸から這い上がってくるのではないのかもしれません。
自分の存在を知ってもらいたい、自分はたしかにこの世に存在したという悲しい思いを持ちながら怨霊として蘇ったのではないでしょうか。井戸の中で生きていた期間が、あの長い髪のもう一つの理由なのかもしれません。
【本記事の要約】 貞子の長い黒髪は、ホラー映画「リング」で象徴的な存在となり、多くの人々に恐怖を与えました。その髪の長さは、約60cmから70cmと推定され、貞子が井戸に落ちてからの30年間、髪の成長を続けていたとされています。彼女の髪が顔を隠すように下ろされている理由は、呪いをかける際に顔を見せたくないという彼女の心理状態を反映していると考えられています。また、髪の成長速度に関して、一般的に人間の髪は一年で約12cm伸びるため、貞子の髪は約6年以上伸ばし続けたことになります。髪の成長は血行、食事、睡眠などの要因に影響されるため、貞子の髪の成長もこれらの要素が複雑に関わっていることが分かります。貞子の髪は、単に呪いをかけるためだけでなく、彼女の悲劇的な過去と強いプライドから来るものでもあるとされています。 |