誰もがいずれ悩むであろう白髪問題ですが、人によっては白髪の量が違っていたり生えてくる年齢が違ったりと個人差がとても大きい部分でもあります。不思議なことに同じ人間で同じような生活を送っていたとしてもその違いは変わりません。
そこで今回は白髪のメカニズムから、白髪が多い人と少ない人では何が違っているのかまで詳しくご紹介させていただきますのでぜひ最後までお付き合いください。
1.白髪はなぜ白いの?

白髪は本来、黒や茶色の色がついて生えてくるはずなのに、どうして白い髪の毛がはえてきてしまうのでしょうか。白髪が白い原因についてご紹介させていただきます。
白髪は色が白くなってしまっているだけで、黒い髪の毛と同じように生えてくる髪の毛です。髪の毛は毛根のある毛母細胞という、髪の毛を生成するために大切な役割を果たしている細胞の働きによって成長しています。
その毛母細胞の中にはメラノサイトといって、髪の毛に色をつけるメラニン色素を作り出す機能を持っている細胞が存在します。髪の毛が毛母細胞の働きによって生成されてメラノサイトで、髪の毛に黒や茶色の色がつけられて根元から生えてくるのが正常な髪の毛の仕組みになっているのです。
しかし、なんらかの原因によってこのメラノサイトの働きが低下してしまうと、メラニン色素が十分に作り出されなくなってしまい、髪の毛に色がつけられずに白髪となって白い髪の毛がそのまま成長してきてしまうものです。
髪の毛は黒い髪の毛もすべて色がつけられる前は透明の白髪で、メラニン色素の働きによって色がつけられています。なので白髪と黒い髪の毛は基本的な構造は同じで、メラニン色素が作用したかしていないかの差なのです。
次のページでも、メラノサイトの低下と白髪について詳しく紹介していますので、ご覧ください。
白髪の原因になるメラノサイトが低下したらどうなる?活発にするにはどうしたらいい?
2.白髪の原因

それではなぜメラノサイトの機能が低下してしまうのでしょうか。要因はいくつかありますのでみていきます。
遺伝
白髪の原因で1番影響を受けるとされているのが、遺伝によってなる白髪です。遺伝は両親や親族の遺伝情報を受け継いでしまうため、自分で防ぐことができません。
両親や親族の中で白髪が多かったり、元からメラニン色素が作り出す機能が弱いこともあったりとその内容も様々です。詳しく解明できていない部分もありますが、この傾向は間違いないようです。
食生活
食事の習慣によっても白髪の原因となってしまう可能性があります。食生活の偏りで髪の毛の成長に必要な栄養素が取れていないと、髪の毛を作り出す毛母細胞にも適切に栄養が行き渡らなくなってしまいます。
その結果メラノサイトの働きも悪くなってしまい、白髪の原因へと繋がってしまうのです。
睡眠
睡眠は身体や脳など様々な部分に直結して影響してきます。頭皮や髪の毛の例外ではなく、睡眠不足になってしまうと自律神経が乱れてしまい頭皮への血流が悪くなってしまうのです。
血流が悪くなってしまうと頭皮への栄養素も行き渡りにくくなり、メラノサイトまで栄養が行き届かなくなってしまいます。また、人間は眠っている間にダメージをうけた細胞を修復するように機能するのですが、睡眠不足が続いてしまうと傷ついたメラノサイトの回復もうまくできなくなり回復できなくなってしまうのです。
ストレス
人間はストレスを過剰に感じると活性酸素が増えてしまいます。活性酸素は呼吸をすることで体内に入る酸素が活発化して細胞などにダメージをあたえてしまうのです。
また、ストレスを感じると交感神経が優位となり血管が収縮してしまい、血流が滞ってしまいます。そのためメラノサイトへの栄養が行き渡りにくくなってしまい白髪の原因に直結してしまう可能性があるのです。
また、白髪が生え始めた老化の事実にショックを受けて、それがストレスに感じる方も少なくありません。
以下のページでは老化現象と心の関係について解説されていますので、参考にしてみてください。
高齢者に特有なこころの病気 | 健康長寿ネット
加齢
誰でも最終的にはこの加齢が原因によって白髪になってしまいます。時期は人それぞれ異なりますが、いずれ必ず起こる現象です。
年々年を重ねるにつれて、髪の毛の色を黒や茶色にしてくれているメラニン色素を作り出すメラノサイトの機能が低下していきます。低下していくにつれて少し
づつ白髪が増えていき、機能しなくなった頃にはほとんどの髪の毛が白髪へとなっているのです。
白髪が増える原因について以下のページで詳しく解説しています。
ぜひご確認ください。
白髪のメカニズムとは?なぜ白髪ができるか徹底解説!
3.白髪が多い人はどんな人?

白髪の原因がわかったところで、白髪が多い人と少ない人にはどのような違いがあるのでしょうか、その部分を掘り下げてご紹介していきます。
家族や親戚に白髪が多い人がいる
先程、白髪の原因でご紹介したように、白髪が多い人は遺伝によって受け継いだ遺伝情報によって白髪が多くなっている可能性があります。「同年代と比べても白髪が多い」「若いときから白髪が生えている」「家族と同じような白髪の生え方をしている」などの特徴があり、この場合は遺伝による白髪が原因となっていることが多くあります。
逆に白髪が少ない方は、家族や親戚も白髪が少なかったり、白髪が生えてくるのが遅かったりとすることが多いようです。遺伝は自分でも選ぶことができないため、うまく付き合っていくしかないのです。
喫煙者である
タバコは健康によくないというのは周知の事実ですが、頭皮や白髪へも悪い影響をあたえてしまうので注意が必要です。タバコを吸うとニコチンという成分が体内に入ってきて交感神経を優位にして血管を収縮させる作用をもっています。
血流が悪いと頭皮へ血流や栄養素が行き渡らなくなり、毛母細胞やメラノサイトまでダメージをうけてしまうのです。また、ニコチンは依存性の物質なためタバコをやめると禁断症状でストレスをうけます。
ストレスはさらに交感神経を優位としてしまい、血流が悪くなるといった悪循環に陥ってしまうのです。これと同時にタバコを吸うことで活性酸素が体内で発生してダメージもあたえてしまうため、いいとこが全くないのです。
不摂生をしている
特にお酒が好きで普段からアルコールを飲むことが習慣化していて摂取量が多い方は白髪が多くなってしまう傾向にあります。アルコールを飲むと肝臓でアルコールを分解して身体に吸収されるようになっています。
しかし、このアルコールを分解するときに活性酸素が発生してしまうのです。お仕事の付き合いや様々な事情もあるかと思いますが、飲む量を適量に抑えたり、休肝日を設けたりして調整すると効果的です。
ストレスフルな生活をしている
普段の生活の中で人は仕事、対人関係など様々な要因のストレスにさらされています。そのストレスが過剰にかかり、慢性化してしまっていると身体や頭皮にも悪影響を与えてしまいます。
ストレスは全身の血流を悪くしてしまう元凶なのです。人は無意識の中でも自律神経によって代謝や消化などの働きをコントロールされています。自律神経には交感神経と副交感神経があり、緊張状態や活発に行動しているときに交感神経が優位となり、眠ったりリラックスしている状態のときには副交感神経が優位となっています。
この交感神経と副交感神経が交互に作用することで人間の身体はバランスを保っているのですが、ストレスを過剰に感じてしまうと交感神経が優位となる時間が長くなってしまい緊張状態が続いてしまうのです。
そうなると血管も収縮してしまい血流が悪くなり、酸素や栄養素が毛根に行き渡らなくなってしまいます。普段から上手にストレスが発散できずに溜め込んでしまう人は特に気をつけなくてはならないのです。
4.少しでも予防したい!

白髪が人よりも多いと周りの視線がどうしても気になってしまいますよね。ある程度の白髪はもう仕方ないにしても「これ以上進行してしまうのを遅らせたい」「少しでも予防したい」このような方のために、今からでもできる予防法をご紹介させていただきます。
頭皮のマッサージ
血流をよくすることは酸素や栄養素を毛根へ届けるためにも大切な条件となります。頭皮のマッサージで血流をうながすと、より効率よく毛根へと栄養を送ることができるため健康的な髪の毛の成長や白髪の予防に役立つとされているのです。
毎日する必要はないのですが、週に2〜3回ほど簡単なマッサージを取り入れてみてあげてください。
1.生え際に両手の指を揃えて軽く回しながら上に引き上げるように指圧していき、少しづつ頭頂部へ移動しながら動かしていきます。
2.手のひらの拇指球をこめかみにあてて、クルクル大きく動かしながら後ろへずらして圧をかけます。
3.耳の後ろから同じように拇指球をあてて頭頂部へ向かって動かしていきます。
4.生え際から後頭部に向かって少しずつずらしながら、正中線の頭皮を両手の拇指球で挟み込みながらグーッとつまみ上げてください。
5.首元の筋の脇に両手の親指を置き、上へ回しながら押し上げていきます。
食生活の見直し
食生活と白髪は一見関係がないようにみえますが、実はとても深く関係しているのです。健康的な髪の毛を生成するためには、その成長に必要な栄養素をバランスよく摂取する必要があります。偏った食事で脂っこいものや甘い物などばかり口にしては、皮脂が過剰に分泌してしまうのです。
髪の毛の成長に必要な栄養素は以下のようになっており、意識して積極的に摂取するようにしてください。
・タンパク質…肉、魚、大豆類
タンパク質は髪の毛の主成分で、必須の栄養素となります。タンパク質は髪の毛だけではなく、臓器の働きやダメージの回復などにも有効な栄養素となるのです。身体の様々な部分でも必要とされている分、摂取量が足りていないと髪の毛にまわってくる量が少なくなってしまい、白髪の原因にもつながってしまうのです。
・ビタミン…フルーツ、緑黄色野菜
ビタミンの中でも白髪にいいとされているビタミンはビタミンB12です。ビタミンB12は魚介類や豚や牛のレバーから多く摂取することができます。髪の毛に色をつけるメラノサイトの機能を活性化してくれ、メラニン色素の量を増やすことができると言われています。
・ミネラル…ナッツ類、大豆類、海藻
ミネラルはたくさん種類があり、白髪予防に効果があるとされているのは銅、亜鉛、ヨード、カルシウムとされています。
特に亜鉛は髪の毛の元でもあるタンパク質やケラチンを生成する上でも欠かすことのできないミネラルです。亜鉛は体内で作り出すことができないものなので、不足しないように積極的に摂取しなくてはならない栄養素の一つです。
【食事×白髪対策】白髪の原因の1つ低体温の予防・改善に効果的な食べ物と料理レシピ
5.まとめ
遺伝や生活習慣や老化など様々な要因が原因となって、出てきてしまう白髪。人によって生えてくる時期も量も個人差が大きく、完全に防ぐことはできません。しかし、白髪の原因によっては防いだり改善を図れる部分もあります。
白髪の量が多い人についてご紹介しましたが、完璧に改善とはいきませんが少しでも予防できるように対策を実践してみてください。
頭皮マッサージをする際には、スカルプシャンプーなど頭皮ケアのできるものを併用するとより頭皮環境を整える効果もありオススメです。定期的に血流を促し頭皮を健康にしてあげて白髪も予防していってください。
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【本記事の要約】 白髪は誰もが経験する悩みで、個人差が大きいものです。その原因としては、髪の毛に色をつける役割を果たすメラノサイトが低下することが挙げられます。白髪が多くなる原因には遺伝、食生活の乱れ、睡眠不足、ストレス、加齢などが影響しています。白髪が多い人は、遺伝的要因や不摂生な生活習慣が関係している場合が多く、特に喫煙や不規則な生活が悪影響を与えます。しかし、予防や改善は可能で、頭皮のマッサージや食生活の改善など、日常的に実践できる対策もあります。例えば、髪の毛に良い栄養素を含む食事を心がけ、白髪を予防する方法を取り入れることが重要です。生活習慣の見直しと適切なケアを通じて、白髪を遅らせることができます。 |