この記事に訪れたあなたは、「まだ20代なのに白髪が生えてきてしまった…抜いてしまっても特に問題ないのだろうか」とお悩みではないでしょうか。
結論を先に述べれば、20代であっても、白髪を抜くべきではありません。
この記事では次の4つについて解説をします。
- 白髪を抜いてはいけない理由
- 若白髪が生えた際の対処法
- そもそも若白髪が生えてくる理由
- 若白髪に対する対策
1.20代でも白髪を抜かない方がよい理由
20代の白髪であれど抜かないようにしましょう。
銀座スキンクリニック(美容皮膚科)院長の坪内利江子先生によると、次のような理由だそうです。
まず、毛を抜くという行為は、成長すると髪の毛になる細胞である毛母細胞(もうぼさいぼう)を無理やり剥がす行為です。
そして何度も抜くことにより、毛の色を作りだしたり、毛そのものを作りだしたりする細胞である幹細胞(かんさいぼう)に徐々にダメージを与えていきます。
ダメージが蓄積された頭皮には、ばい菌が侵入してしまいます。この結果、炎症を起こしてしまう可能性があるのです。
白髪を抜かない方がよい理由は、こういった事情があるとのことです。
また、アメリカ アーカンソー医科大学のDr. Kraleti(ドクター・クラレティ)によると、白髪が抜くと増えるというのは俗説であるとのことです。
その理由は、髪の毛は一つの毛包(頭皮の深層にある髪の毛が生える場所)につき、一本しか生えられないためです。そして、その一本を抜いたからといって、周りの毛包・髪の毛に影響を与える(白髪にさせる)ことはないのです。
したがって、白髪を抜いたからといって白髪が増えることはないとのことです。
“Plucking a gray hair will only get you a new gray hair in its place because there is only one hair that is able to grow per follicle. Your surrounding hairs will not turn white until their own follicles’ pigment cells die.”
毛包ごとに成長できる髪は1つしかありません。そのため、白髪を抜くと、その場所に新しい白髪が生えるだけです。 周囲の髪の毛は、自身の毛包の色素細胞が死滅するまでは白髪にはなりません。
引用元:Does Pulling One Gray Hair Cause More to Grow in its Place? | UAMS Health」
しかし、上述した皮膚へのダメージおよび、抜く際の物理的な痛みを考慮すると、抜くのは好ましくありません。
20代の白髪であれど抜かないように気をつけましょう。
20代で白髪が生えた場合の対処法
手軽にできる対処としては、根本からカットをしたり、白髪染めをしたりすることが効果的です。
白髪染めの特徴や種類、方法については、下記の記事で解説をしています。「スティックタイプ」「マスカラタイプ」など女性になじみ深い言葉が出てきますが、男性向けの商品も販売されています。ぜひご一読ください。
部分的な白髪におすすめの白髪対策グッズとは?
[clink url="https://www.kiwabi.com/blog/2021/01/05/partial-care-gray-hair/"]
2.20代でも白髪が生える理由と対策
そもそも、どうして20代という若さでも白髪が生えてしまうのでしょうか。
多数の医学文献をもとに運営されている医療情報サイトMedical News Todayによると、20代でも白髪が生えてしまう理由は、次の7つであるとのことです。
- ビタミンの欠乏
- 遺伝
- 酸化ストレス
- 病気
- ストレス
- 喫煙
- ヘア製品
それにより、あなたの若白髪の本数や生える頻度を抑えることが、期待されます。
①ビタミンの欠乏
ビタミンB-6やビタミンB-12、ビオチン、ビタミンD、ビタミンEの不足が、若白髪の引き金になります。
2015年に発表されたThe melanocyte lineage in development and diseaseによると、十分なビタミンを摂取することにより、すでに白髪となった毛が地毛の色に戻る可能性があることが明らかになりました。
若白髪の予防や改善といった側面から、ビタミンを十分に摂取するようにしましょう。
それぞれのビタミンの摂取目安量は、年齢によって、異なります。詳細な摂取量については、厚生労働省の統合医療情報サイト「サプリメント・ビタミン・ミネラル」の項目からご確認ください。
②遺伝
残念ながら、若白髪は遺伝とも関わりがあります。
多分野の専門医によって監修され、毎月2億回閲覧されている医学総合情報サイト『healthline』にて、若白髪についての記事が投稿されました。
その記事では、両親や祖父・祖母が若かった頃に、白髪が生えていた場合、遺伝する可能性があることが示唆されています。
”Your makeup plays a big role in when (or if) you develop white hair. If you notice white hair at an early age, it’s likely that your parents or grandparents also had graying or white hair at an early age.”
あなたの体質は、あなたが白い髪を発達させるときに大きな役割を果たします。 あなたが若い頃に白髪に気付いた場合は、両親や祖父母もまた若い頃に白髪であった可能性があります。
引用元:What Causes White Hair? healthline
③酸化ストレス
酸化ストレスとは、「酸化反応によって引き起こされる人体にとって有害な作用」のことであります。
人体は、食べ物を摂取した後に、酸化反応が起きなければ栄養分を吸収することができません。そのため、栄養分を吸収するために、体内で酸化(栄養素を燃やす作用)が働きます。
この際に、細胞が損傷を受けてしまうことがあります。これが酸化ストレスと呼ばれるものです。
酸化ストレスを防ぐためには、「抗酸化作用のある食品」の摂取が効果的であると言われています。イチゴや赤ピーマン、トマトなど多様の食品(詳細はこちら)がありますが、栄養バランスにも気をつけ、過剰摂取をしないように心がけましょう。
④病気
自己免疫疾患(免疫機能が自分の身体を攻撃する病気の総称)にかかっている場合も、若白髪を引き起こす可能性があります。
頭皮の自己免疫疾患で言えば、円形脱毛症があります。円形脱毛症にかかってしまった場合には、白髪が併発する可能性が高いと言われています。
⑤ストレス
2013年に発表されたアメリカ ニューヨーク大学の研究によると、ストレスにより、髪を着色する細胞が劣化してしまう可能性があるとのことです。
ストレスの対策としては、趣味や運動に打ち込んだり、周りの人に悩み事を相談したりすることが効果的です。
⑥喫煙
2013年に「Italian Dermatology Online Journal」に掲載された研究報告により、喫煙者が若白髪になりやすいことが判明しました。
具体的には、喫煙者は、非喫煙者に比べて、30歳以前に白髪が生えてくる確率が2.5倍高くなることがわかりました。
現在、喫煙されている方は、禁煙を検討してみてはいかがでしょうか。
⑦ヘア製品
ヘア製品の利用も若白髪を誘発してしまう可能性があると言われています。
3.まとめ
たとえ20代という若さであっても、白髪を抜かないようにしましょう。
実際のところ、数本であれば、さほど問題はないと考えられます。ただし、白髪を抜くことが癖になってしまい、何十本、何百本と抜いていると、頭皮がダメージを受けてしまう可能性が高まっていきます。
したがって、白髪部分のカットや白髪染め(着色すること)、生活習慣の見直しといった方法で、若白髪に対処・対策していきましょう。
・参考文献
酸化ストレス | 健康長寿ネット
医師に聞いた「白髪を抜くと白髪が増えるってホント?」 | 毎日が発見ネット
【本記事の要約】 本記事では、20代で白髪が生えてしまった場合の対処法について解説しています。 20代で白髪が生えてしまうのは、ビタミン不足、遺伝、酸化ストレス、病気、ストレス、喫煙、ヘア製品などが原因として考えられます。 白髪を抜くことは、毛母細胞や幹細胞を傷つけ、頭皮にダメージを与える可能性があるため、避けるべきです。白髪を抜いても、白髪が増えるという俗説は医学的に否定されていますが、頭皮へのダメージや痛みを考慮すると、抜くのは好ましくありません。 20代で白髪が生えた場合の対処法としては、白髪部分のカットや白髪染めが効果的です。 白髪を予防するためには、ビタミンを十分に摂取したり、酸化ストレスを軽減したり、ストレスを解消したり、禁煙したりすることが大切です。また、ヘア製品の使用にも注意が必要です。 20代での白髪は、遺伝的な要素も大きいですが、生活習慣を見直すことで、白髪の進行を遅らせることができる可能性があります。 |