白髪の予防・対策をすることにより、白髪が生えてくるペースを抑えられ、白髪の総量を減らせます。
この記事では、白髪の基本的なメカニズムと、白髪を減らす方法について最新の医学文献をもとに解説をします。下記の方のように、白髪の量や頻度を減らしたい方は、ぜひ最後までお読みください。
https://twitter.com/besu0521/status/1374682117351694341
・この記事はこんな方にオススメ(男女)
✓若白髪が生えてきて困っている
✓アラサー・アラフォーに入り白髪が増えてきた
✓白髪染めのコストが家計を圧迫している
⒈白髪を減らすために知っておきたい、白髪のメカニズム

白髪を予防・対策するうえでは、メカニズムについて簡易的に知っておく必要があります。
まず、髪を黒く着色する機能は、「色素幹細胞(しきそかんさいぼう)」「色素細胞(メラノサイト)」「MITF遺伝子」「メラニン」「毛母細胞(もうぼさいぼう)」の5つで成り立っています。
[caption id="attachment_3653" align="alignnone" width="600"]各細胞の位置と機能説明[/caption]
引用元:クロナルポリフェノールの白髪予防・改善効果を確認 - 化粧品業界人必読!|週刊粧業オンライン 天真堂
これらが正常に機能をすることにより、頭皮内でもともと無色透明で成長してきた髪の毛が、頭皮から現れる前に黒く着色させられ、黒髪として生えてくるのです。
しかし、これらの機能が下記の理由により正常に働かなくなってしまうと、着色機能が正常に働きません。その結果、髪の毛は無色(白髪)のまま生えてきてしまうのです。
遺伝 | 喫煙 | ストレス | 病気 |
酸化ストレス | 頭皮へのダメージ | 加齢 | 運動不足 |
睡眠不足 | 食品の過剰摂取 | 栄養分の欠乏(ビタミン、ミネラル、17型コラーゲンなど) |
Although many risk factors are reported in literature, smoking, vitamin deficiency (B12, folic acid, and B7), mineral deficiency (low serum calcium and serum ferritin) are found to be associated with PGH. Other important risk factors are family history of PGH, obesity, high B.P, lack of exercise, drugs, genetic syndromes, dyslipidemia, thyroid disorders, hyperuricemia, and alteration in liver function. PGH is found to be an important marker of CAD, more so in case of smoker.
多くの危険因子が文献で報告されていますが、喫煙、ビタミン欠乏症(B12、葉酸、およびB7)、ミネラル欠乏症(低血清カルシウムおよび血清フェリチン)がPGH(時期尚早な白髪、若白髪)に関連していることがわかっています。他の重要な危険因子は、PGHの家族歴、肥満、高血圧、運動不足、薬物、遺伝的症候群、脂質異常症、甲状腺障害、高尿酸血症、および肝機能の変化。PGHはCADの重要なマーカーであることがわかっており、喫煙者の場合はさらに重要です。
引用元:Premature graying of hair: Risk factors, co‐morbid conditions, pharmacotherapy and reversal—A systematic review and meta‐analysis
したがって、今後生えてくる白髪を減らすためには、これらの着色細胞の活動をサポートする必要があります。
⒉白髪を減らすためにできる、日々の行動

この章では、白髪を減らすためにできる、日々の行動について解説をします。
白髪を減らす方法1:禁煙をする
白髪を予防するためには、禁煙をしましょう。
2013年に「Indian Dermatol Online」に投稿された若白髪についての研究報告により、喫煙者は非喫煙者の2,5倍、人生の早いタイミングで白髪になる可能性が高いことが判明しているためです。
禁煙の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
白髪を減らす方法2:ストレス発散をする
白髪を対策するうえでは、ストレス発散も重要です。
2020年に「Nature」に投稿されたハーバード大学の研究報告により、過度のストレスを受けた場合に黒髪の色素を作り出すメラノサイト幹細胞が枯渇してしまうことが判明しているためです。
また、睡眠不足により、ストレスを感じやすくなることが数々の研究で報告をされています。8時間前後の良質な睡眠をとったり、周囲の人と親密なコミュニケーションをとったりして、日々のストレスに対処をしていきましょう。
白髪を減らす方法3:栄養分を摂取する
白髪対策効果のある栄養分を摂取しましょう。
2015に発表された研究報告により、ビタミンB-6やビタミンB-12、ビオチン、ビタミンD、ビタミンEの不足が、白髪の進行を平均よりも早めることがわかっているためです。
また、その研究では、不足していたビタミンを再補給することにより、白髪となった毛が再び黒色の髪の毛として生えてくる可能性があることを示唆しています。このことから、積極的にこれらの栄養分を摂取しましょう。
・合わせて読みたい
誰にでもできる!白髪を減らすために役立つ食知識
白髪を減らす方法4:健康診断を受ける
定期的に健康診断を受けましょう。
可能性は低いですが、白髪を併発させる病気を発症している可能性があります。
具体的には「ウェルナー症候群」「白斑(はくはん)」「円形脱毛症」「甲状腺疾患(こうじょうせんしっかん)」といった病気が該当します。
白髪を減らす方法5:活動力を低下させる食べ物を食べすぎない
白髪対策をするうえで、食べすぎない方がよいものがあります。
それは「脂質の多い食べ物」「刺激の強い食べ物」「身体を冷やす食べ物」です。それぞれの理由は、次のとおりです。
・脂質の多い食べ物
血液がドロドロになり、頭皮の細胞への栄養運搬能力が低下するため
例:調理用油、バター、マーガリンなど油類や肉類、乳製品など
・刺激の強い食べ物
栄養の吸収・分配を担う、胃や腸などの消化器官にダメージを与えてしまうため
例:唐辛子、からし、わさび、カレーなど
・身体を冷やす食べ物
血行が悪くなり、頭皮の細胞への栄養運搬能力が落ちるため
例:きゃべつ、レタス、きゅうり、なす、トマト、もやしなど
なお、それぞれには、体にとってポジティブな影響を与える側面もあります。適量を摂取することも心がけましょう。
白髪を減らす方法6:抗酸化物質を摂取する
酸化ストレスを減らすことも、白髪を防ぐうえで効果的であります。体が過剰に酸化をされると、体中の細胞を傷つけてしまうためです。
なお、酸化ストレスとは、体が過剰に酸化されてしまった状態のことであります。
この酸化ストレスを減らすうえでは、抗酸化食品(抗酸化物質を多く含む食品)を摂取しましょう。酸化も体にとって必要な機能であるため、抗酸化食品の過剰摂取には気を付けましょう。
[caption id="attachment_3655" align="alignnone" width="955"]抗酸化食品の例[/caption]
引用元:抗酸化食品で紫外線対策をしよう | 管理栄養士コラム | 静岡市・浜松市の人間ドック、健康診断|聖隷保健事業部
白髪を減らす方法7:アンチエイジングをする
白髪を予防するうえでは、アンチエイジング(抗老化)も効果的です。アンチエイジングは、年々医学業界で注目が高まっている概念です。
白髪は、加齢によってもたらされる着色機能の低下によって引き起こされます。そのため、アンチエイジングによりその進行を遅らせることが期待されるのです。
実際に医学の現場で、行われているアンチエイジングには次のようなものがあります。
生活療法:栄養指導、運動指導、ストレス対応 など
サプリメント療法:サプリメントの摂取(※医師の指導の下)
アンチエイジングと聞くと、特別な概念に聞こえますが、実際のところ物珍しいものではありません。
「規則正しい生活」や「十分な栄養分を摂取する食生活」などといった、一般的に「健康な生活」と評価をされる生活を送ることにより、アンチエイジング効果が見込めるのです。
白髪を減らす方法8:運動をする
運動も白髪対策に効果的です。なぜなら、運動により血行がよくなり、栄養の運搬能力を高められるためです。それにより、髪を黒く着色するうえでとりわけ重要な機能を担っている「メラノサイト」へと良質な栄養分を届け、活動を活発化させることが期待されるのです。
白髪を減らす方法9:良質な睡眠をとる
良質な睡眠も白髪を未然に防ぐうえで効果的です。良質な睡眠は、ストレス耐性を大幅に上げることや体全体の細胞を活性化させることが科学的に証明されているためです。
⒊まとめ
白髪を減らすためには、頭皮内で黒髪着色をになっている細胞・組織の活動をサポートしましょう。具体的には下記の5つが挙げられます。
⒈色素幹細胞
⒉色素細胞(メラノサイト)
⒊MITF遺伝子
⒋メラニン
⒌毛母細胞
これらの活動をサポートするためには、日常生活のなかで下記の項目を実践しましょう。
禁煙 | ストレス発散 | 栄養分 | 健康診断 | 過剰摂取 |
抗酸化物質 | 頭皮ケア | アンチエイジング | 運動 | 良質な睡眠 |
この先の将来、50代・60代で普通の人よりも、白髪の量や頻度を減らしたい方は、ぜひ実践してみてください。
・参考文献
⒈ 毛をつくる幹細胞を維持する17型コラーゲンの役割を解明した|株式会社アデランス |
⒉Stress and sleep: What is the link? .Medicalnewstoday
⒊Gray Hair: Causes, Remedies, and How to Embrace Your Gray | Berkeley Wellness
⒋【幹細胞】ストレスによってマウスの毛が白くなる機構 | Nature
⒌The Root Cause Of Gray Hair [A 2021 Guide For Any Age]
⒍Why does hair turn gray? - Harvard Health Blog - Harvard Health Publishing
⒎アンチエイジングとは | 健康長寿ネット
⒏Exercise may prevent your hair from turning gray - Truth In Aging
⒐My hair are becoming white. I do sleep late nights does that affects my hair. I am an engineering student. lybrate
【本記事の要約】 白髪は、加齢や遺伝、ストレスなど様々な要因によって生じ、そのメカニズムは「色素幹細胞」「色素細胞(メラノサイト)」「MITF遺伝子」「メラニン」「毛母細胞」の5つの要素が複雑に絡み合っています。これらの要素が正常に機能することで、髪に色がつき黒髪として生えてきますが、様々な要因によってこれらの機能が低下すると、白髪が生えてきてしまいます。 白髪を減らすためには、これらの要素の活動をサポートする必要があります。具体的な方法としては、禁煙、ストレス発散、栄養分の摂取、健康診断、過剰摂取の回避などが挙げられます。 特に、ビタミンB群、ビオチン、ビタミンD、ビタミンEなどの不足は、白髪の進行を早める可能性があるため、これらの栄養素を積極的に摂取することが大切です。また、抗酸化物質を多く含む食品を摂取することで、体の酸化ストレスを軽減することも有効です。 さらに、運動や良質な睡眠は、血行を促進し、細胞の活性化を促すため、白髪予防に効果的です。 白髪は、年齢を重ねる過程で自然に生じるものですが、適切な対策をすることで、その進行を抑え、白髪の量を減らすことができます。これらの対策を実践し、健康的な髪を維持しましょう。 |