様々な方と打ち合わせを行う中で、気がついたことがあります。「会社役員(社長・幹部)」という主要な「会社の顔」という立場になる人ほど、黒、もしくはカラーリングで白髪が目立たないという状態になっているということです。
1.会社役員は、様々な意味で身だしなみに気を遣う

様々なポジションの方とお目に掛かる中で、社長・幹部などの会社役員は、一般社員等より、若々しく見えることが多いという個人的な感覚があります。特に社長(代表取締役)は、いかにクライアント・関与する会社に信頼してもらえるか、若々しく勢いがありそうに印象づけるかということを強く念頭に置いている方が多いと感じます。
フリーランスとして、経営者や役職者、一般社員の方などとお話しする中で、経営者がなぜ身だしなみに気を遣うのかということをそれとなく雑談でリサーチすると、様々な理由が聞けました。その理由を整理します。
金融機関、調査会社・税務署の税務調査対策
会社の代表取締役のポジションに着くと、金融機関との打ち合わせや、帝国データバンク・東京商工リサーチなどの調査会社から、インタビューを受けることがあります。その際、金融機関や調査会社からは、社長はリサーチされる側なので、以下の点を注意しているということをある経営者から聞きました。
高すぎず安すぎないスーツを着る(相手はスーツを常に着ている「スーツ族」なのでそれにあわせる)
髪が白髪交じりだと、必ずしも相手に清潔感を与えられるとは限らないので、しっかりとカラーリングしておく
きちんとしているが華美ではないという印象を与える、絶妙なラインを目指す
上記の金融機関・調査会社・税務署の税務調査対策では、「いかにもお金を持って、ガンガン使っています」という雰囲気を出すと、マイナスの評点を付けられたり、税務調査で痛くもない腹を探られたりします。
金融機関・調査会社・税務署の税務調査は、それぞれサラリーマン・公務員です。彼らより明らかに装い・雰囲気が上であったり、いかにもお金を持っていますという印象を与えると、相手も人間なので、いい印象を持ってもらいにくくなります。
それよりも、顔・髪・爪・口などの基本的な清潔感は保ちつつ、装いは控えめにするのが、様々な意味で無駄な嫉妬を買わずにいいと。
また、小物一つにしても気を遣うそうです。普段はモンブランやペリカンの万年筆・ボールペンなど、経営者には小物・筆記具にこだわる人が多いです。ただ、サラリーマンとの打ち合わせではジェットストリームプライムなど、3,000円~5,000円の、安物ではないが高級でもないボールペンを使ったり、時計はApple Watchや無難な国産のものを付けたりと、ともかく「この社長、いいものを使っているな」と悟られないけれども、きちんとしているというところを狙っているそうです。
代表取締役や役員などは会社の顔であるため、万人に対し、マイナスの印象を与えないような配慮が必要となってくるのです。
接する人にマイナスの印象を持たれない配慮
社長というのは、(もちろん職人肌の例外の人もいますが)若ければ若いほど、髪や肌へのこだわりや、外部からの見え方に対する配慮の意識を持っている人が多い傾向です。
社長・幹部の立場になると、社内外での様々な人との接点が生じます。その際、相手に疲れている、清潔でないという印象を与えないように、ポジションが高くなればなるほど気を配っているという話や、こだわりを聞きます。口腔ケア・無臭スプレー・ほどよいフレグランスでの匂いケアに加え、白髪交じりの場合はカラーリング、またデパコスを主体とした基礎化粧品を用いた肌ケアなどを行っています。
また、顔のヒゲに関しては「レーザーによる永久脱毛」を行っている人が意外と存在します。男性のヒゲのレーザー処理は、「痛い」とのことです。何度も通い、そのたびに「輪ゴムで全力ではじかれる痛みが延々と続く」施術を受けつつも、ヒゲ脱毛が終われば青髯がなくなり、清潔感も出て、ひげそりも楽になると。
このように、社長・幹部は清潔感・相手に対して適切な印象を与えることを気にする人が多いです。理由を考えると、下記の点が挙げられます。
外部との接点が増え、身だしなみを意識することの重要性に気付く
普段社内とばかり接点があったり、自営業・フリーランスで外との交流が限られると、改めて身だしなみを意識する機会は、さほど多くありません。
ある技術畑の社長と話していても、「今はリモートが多いから、わかりにくいかもしれないけど、カンファレンスで呼ばれることが増えると、身だしなみを自然と意識することが増えますよ」と。
外部と接し、自身と周囲を相対的に比べることによって、自分の身だしなみを管理することの大切さがわかってくるそうです。
社員からダメ出しされる
風通しのいい会社ほど、部下が「社長、その白髪混じりの髪、染めちゃった方がいいんじゃないですか?」など、お堅い会社ではまず言えないようなことを、普通に若手の社員が発言します。
社長がワンマンで、何かマイナスなことを言ったら飛ばされるという会社なら、さすがに別です。ただ、社長・役員と社員間のスムースな意思疎通ができている会社の場合、特に社員の側も臆することなく率直な印象を話すケースは意外と多いと聞きます。
社長・幹部の側も、「そうだな・・・、さすがにそろそろカラーリングしたほうがいいかな、言ってくれてありがとう」など、ポジティブな反応をするものです。
仕事に対しては、互いが緊張関係を持って取り組みつつ、それ以外の部分では、言いたいことを自由に言える社風が凄いな、と思う上に、社員のストレートな発言を前向きに受け止める社長・幹部も度量が深いと思います。
2.まとめ
世の中で経営者・役員など責任ある立場の人ほど、「自身の見た目・立ち居振る舞い・相手に与える印象」がいかに重要かというのを理解しています。特に、清潔感とTPOにあわせた装い・振る舞いの重要さについては、できる社長になればなるほど、さりげなく意識していることが見て取れます。相手へのさりげない配慮や、外見、特にまばら白髪のカラーリングや整った髪、爪、歯などは、ケアする習慣の有無で、年を追う毎に差が開いて行きます。
できるだけ早い時期から身だしなみに配慮することで、相手に好印象を与えるということは、全てのビジネスパーソンに求められることと言えます。
【本記事の要約】 この記事では、自営業者が様々な立場の人と打ち合わせをする中で気づいた、会社役員が身だしなみに気を遣う理由について考察しています。特に白髪染めに関しては、金融機関や調査会社などからの印象、社内でのコミュニケーション、年齢を重ねるにつれて重要性が増すといった理由から、多くの経営者が意識的に白髪を染めているということがわかります。 金融機関や調査会社とのやり取りでは、清潔感を保ちつつも、派手な印象を与えないように、服装や小物を抑えめにしているケースが多いようです。また、社内では社員からストレートな意見を言われることがあり、社長自身もそれを受け入れることで、良好な関係を築いているケースもあるようです。 経営者・役員は、会社の顔として、様々な立場の人に対して好印象を与える必要があり、そのため、年齢を重ねるにつれて身だしなみに気を遣うことが重要になってくることを理解しています。特に白髪染めは、清潔感や若々しさを演出する上で重要な役割を果たすため、多くの経営者が意識的に行っていると考えられます。 記事では、具体的な例を挙げて、会社役員が身だしなみに気を遣う理由や具体的な対策について説明しています。これらの例を通して、ビジネスパーソンにとって身だしなみは非常に重要であり、特に白髪染めは年齢を重ねる上で、より意識すべき項目であるということがわかります。 |