産後は白髪ができやすい!その理由と対策

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産後は抜け毛に悩むママが多いという話はよく聞きますが、抜け毛と同じように白髪が増えるママも多いことは知っていますか?その理由は妊娠・出産で女性ホルモンのバランスが大きく変わるから。
ここでは、産後に白髪が増える原因や対策についてまとめました。

 

1. 産後のホルモンバランスと白髪の関係


加齢と深い関係にある白髪ですが「出産後に増えた」と感じる人は少なくありません。そんな産後の白髪は、「妊娠中は子ども優先的に栄養を分配するために母の身体が栄養不足の状態になってしまったことに産後気づく」ということもありますが、多くの場合は女性ホルモンのバランスの変化が原因だとされています。まずはそんな産後のホルモンバランスの変化と白髪の関係についてお話したいと思います。

妊娠・出産による女性ホルモンの変化とは?



女性ホルモンにはエストロゲンプロゲステロンという2種類があります。
エストロゲンは、卵巣の中で卵胞を育てると同時に子宮内膜を厚くする働きがあります。このエストロゲンは生理後から排卵期まで分泌が増え、排卵が終わると今度は分泌量が減っていきます。そのかわりに分泌量が増えるのが、プロゲステロン。プロゲステロンにはエストロゲンが厚くした子宮内膜をさらにふかふかにして受精卵が着床しやすい状況を作るという働きがあります。受精卵が着床しなければ月経が起こり、月経の終了とともにエストロゲンの量が優位になっていきます。
妊娠していない場合には、これら2種類のホルモンが交互に優位になることで毎月の生理が起こることになります。しかし、妊娠した場合にはホルモンの状況が大きく変わります。エストロゲンとプロラクチンの分泌が出産まで増え続けることになるのです。
妊娠していない時にエストロゲンが最も増えるのは排卵期ですが、妊娠後期にはそれの約120倍も分泌量が増えるとされています。プロゲステロンも妊娠後期には、妊娠していない時の約30〜90倍も増えるそうです。(参考:岡山大学検査部/輸血部インフォメーション)そんな妊娠してから急増するエストロゲンとプロゲステロンは、出産を終えると一気に減ることになります。その急激なホルモンバランスの変化が、様々な症状を引き起こすことになるのです。

産後のエストロゲンの減少が白髪に影響する



エストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンのうち、特に髪の毛に関係しているのがエストロゲンです。実はエストロゲンは「美のホルモン」とも呼ばれ、卵胞を育てる働きのほかにも髪の毛のツヤやコシ、肌のハリ、女性らしい体つきを作ることにも関係しています。
なぜエストロゲンが髪の毛の健康に関係している1番の理由は、血管を拡張する働きがあるから。血管が拡張されると血流がよくなり、頭皮まで新鮮でたっぷりの栄養を含んだ血液が巡りやすくなります。そのため、髪の毛を作る毛母細胞や髪の毛に色をつけるメラノサイトにも十分に栄養が行き届くようになり、黒くキレイな髪の毛を生やしやすくなるのです。
妊娠中は拡張されていた血管も、一気にエストロゲンが減ってしまう産後では血管が狭まり血流が悪くなってしまいます。すると、毛母細胞やメラノサイトに十分な栄養が行き届かなくなり、白髪が生えることになります。これが、産後に抜け毛や白髪が増える大きな理由です。

産後にホルモンバランスが崩れる他の理由



出産を終えると、身体は産前の状態に戻ろうとします。それは女性ホルモンも同じ。しかし、そんなホルモンバランスの移行がうまくいかず、崩れてしまうこともあります。
そんな時に考えられる原因は「ストレス」「睡眠不足」「ダイエット」。
産後はすぐに育児がはじまります。慣れない育児に不安を感じてしまいがちですが、特に月齢が小さいうちの育児は昼夜を問わず赤ちゃんのお世話をしなくてはならないため、肉体的にも精神的にも疲労が溜まってしまいます。
また、低月齢のうちは3時間おきの頻回授乳もあるため、ママはまとまった睡眠をとれない日が続くことになります。すると慢性的な寝不足になりやすくなります。
そのほか、産後ダイエットを考えている人の場合、食事制限をストイックにしすぎて身体が栄養不足になってしまうということもあります。
こういったことが重なると、自律神経は乱れがちになってしまいます。自律神経の乱れは血行不良を引き起こし、体を老化させる活性酸素を発生させます。自律神経と女性ホルモンを分泌する器官は隣接しているためお互いに影響を及ぼすことがあるともいわれています。自律神経や女性ホルモンのバランスが整わなければ、白髪や抜け毛だけでなく偏頭痛や腱鞘炎などの体調不良に悩まされることもあるのです。
産後のホルモンバランスの変化で体調不良を感じやすいのは、産後すぐから3か月くらいの人が多いですが、長いと半年くらいかかる人もいます。なるべく早く元通りのホルモンバランスにしたいですね。

2. ホルモンバランスの乱れによる白髪を改善する方法


それでは、どのようにすれば産後のホルモンバランスを整えることができるのでしょうか?ポイントをまとめてみました。

①産後はしっかりと身体を休める



産後のホルモンバランスを整えるために一番大切なことは身体を休めること
赤ちゃんをお腹で育てるのはとても大変で、出産でもものすごく体力を使います。そのため、産後のママの身体はとても大きなダメージを受けています。
少なくとも1か月間は無理をせず、できるだけ身体を休めるようにしましょう。家事は最低限にし、赤ちゃんが眠っている間は一緒に横になって身体を休めることをおすすめします。

②食生活を見直す



食生活が乱れて栄養のバランスが崩れてしまうと、ホルモンのバランスも崩れやすくなります。
授乳をしている場合は赤ちゃんへの栄養を優先して母乳が作られやすくなるため、鉄分やカルシウムなど普段から不足しやすい栄養素はさらに足りなくなってしまうことになります。ビタミン類やミネラル類は特に意識して摂取するようにしましょう。
そのほか、ホルモンバランスを整えるためには、次のような食べものを食べるのがおすすめです。

ホルモンバランスを整える食材
大豆製品
大豆製品には、イソフラボンが豊富に含まれています。大豆イソフラボンは体内で女性ホルモンと同じような働きをすることが分かっています。お豆腐や納豆、豆乳などを食事に取り入れるようにしましょう。
ビタミンE
ビタミンEは、落花生やアーモンドなどのナッツ類やゴマに多く含まれています。女性ホルモンの分泌を司っている卵巣や脳下垂体に直接作用する効果があるとされています。
ビタミンB6
ビタミンB6は、カツオやマグロに多く含まれています。エストロゲンに直接働きかけ、ホルモンのバランスを整える効果があるとされています。
タンパク質
タンパク質は、全ての細胞を作る元になります。動物性と植物性のタンパク質があるので両方をバランスよく摂取するようにしましょう。
海藻類
海藻類は、鉄分などミネラルが豊富に含まれています。また低カロリーなので体重の増加が気になる人にもおすすめです。
きのこ類
きのこ類は、食物繊維やミネラル、ビタミン類が豊富に含まれています。低カロリーなのも良いところです。


③がんばりすぎない



育児中は「子どもをきちんと育てなくては」「妻として家事も完璧に行わなくては」とがんばりすぎてしまうママも多いです。
何にでも完璧を求めすぎると疲れがたまってストレスにもなります。「疲れたな」と思う時は、家事も育児もほどよく手を抜いて楽をしましょう。掃除だって毎日しなくても大丈夫ですし、たまには外食もいいですね。自分に優しくしてあげることも大切ですよ。
どうしても気になるという時は、文明の利器を頼るのも手。ロボット掃除機や食洗機、ブレンダーなど家事が楽になる家電を利用すると、驚くほど家事が楽になります。時間が空くことは余裕に繋がりますので、子どもにも酔い影響があるかもしれませんよ。

④身体を冷やさない



身体が冷えると熱の放出を避けるために血管は収縮します。そうなると血流も悪くなり、自律神経が乱れるてホルモンのバランスも崩れやすくなります。
授乳をするときには服をめくらなくてはいけないため冷えやすくなります。夜間や冬場の授乳は特に冷え対策をしておきたいですね。そんな冷え対策には腹巻やネックウォーマーを使うのがおすすめ。授乳服や授乳ケープを使用するだけでもかなり温かくなりますよ。
また、冷たい飲み物やコーヒーを避け、身体を温める食べ物を中心に食べるようにするのもおすすめです。冷えに効果的なレシピは下記記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。空いた時間にツボ押しをするのもおすすめですよ。


3. ホルモンバランスと自律神経を整えて白髪改善!



妊娠・出産で「こんなにホルモンのバランスが変化するの!?」と驚いた人もいると思います。ホルモンバランスの変化は、むくみやコリ、偏頭痛などだけでなく髪の毛まで影響します
そんな産後の白髪は、ホルモンバランスの変化だけでなく睡眠不足や栄養不足などのによって、自律神経まで乱れることで生えてしまうこともあります。増えてしまって「白髪染めをしなきゃ・・・。」となる前に対策をするようにしたいですね。
産後のホルモンバランスの変化が原因で白髪になってしまった場合には、ホルモンバランスを整えることで再び黒い髪に戻せる可能性大。産後は無理をしない、がんばりすぎないことが大切ですよ。自分に優しくして、妊娠出産でダメージを受けた身体を早めに回復させてあげましょう!







【本記事の要約】


産後に白髪が増える主な理由は、妊娠・出産によるホルモンバランスの大きな変化です。妊娠中に急増するエストロゲンとプロゲステロンは、出産後に急激に減少し、これが白髪の原因となります。


エストロゲンは「美のホルモン」と呼ばれ、血管を拡張し、頭皮への血流を良くする働きがあります。産後のエストロゲン減少により、毛母細胞やメラノサイトへの栄養供給が悪くなり、白髪が増加します。


さらに、産後の睡眠不足、ストレス、育児による疲労、極端なダイエットなどが自律神経を乱し、ホルモンバランスに悪影響を与えます。これらの要因が重なることで、白髪や抜け毛が増加する可能性が高まります。


白髪改善のためには、以下の対策が有効です:



  • 産後1か月は十分な休養をとる
  • バランスの取れた栄養摂取(大豆製品、ビタミンE・B6、タンパク質、海藻類、きのこ類)
  • 無理をせず、自分に優しくする
  • 身体を冷やさない

特に重要なのは、ホルモンバランスを整え、自律神経を安定させることです。産後は自分の体調に注意を払い、ゆっくりと回復することが白髪予防につながります。


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