そんなときに活用できるのが自宅でできるセルフカラーです。しかし、このセルフカラーは気をつけて行わないと思わぬ場所にカラー剤がついてしまって「なかなか落ちない!」なんて自体にもなりかねないのです。
そこで今回は白髪染めの種類から、白髪染めが手についてしまった時の落とし方など詳しくご紹介させていただきます。
1.白髪染めの仕組み

一般的な白髪染めはヘアカラーといわれており、美容室をはじめ市販で売っている白髪染めの大半を占めるものとなっています。このヘアカラーはファッションカラーとグレイカラー(白髪染め)と分かれていますが構成的にはどちらも同じです。
白髪染めの薬剤のほうが茶色や黒色の色素が多く配合されている分、リフト力が少なく白髪にしっかりと色が入るように設定されています。そのため色持ちやどこかにカラー剤がついてしまって染まってしまったときに落としにくいのも白髪染めなのです。
ヘアカラーは1剤と2剤に分かれていて、1剤はアルカリ剤と酸化染料が配合されていて2剤には過酸化水素が含まれています。この2つの薬剤を混ぜ合わせることによって起こる化学反応を利用して髪の毛を染めていくようになっているのです。
1剤のアルカリ剤の力で髪の毛の表面をうろこ状に保護しているキューティクルという組織を開かせていき、酸化染料を過酸化水素を髪の毛の内部に浸透させていきます。2剤の過酸化水素が髪の毛に浸透した酸化染料と化学反応を起こして色味を発色させていきます。
このようにしてヘアカラーで髪の毛は染まる仕組みになっているのです。
2.白髪染めの種類

白髪染めをするにはいくつかの種類があります。その種類も合わせてみていきます。
ヘアカラー(永久染毛料)
一番メジャーなものが先程もご紹介させていただいたヘアカラー(永久染毛料)です。一度染めると染めた部分は色が抜けきるまで、染まっていてくれるため色持ちも良いのが特徴です。
2〜3ヶ月位してくると退色してきてしまい少しずつ明るくなってきてしまうので、そのタイミングで染め直しをしてあげる必要があります。また、根元の生えてきた部分の白髪が多いと気になりだす時期が早まってくるので、3週間〜1ヶ月に1度リタッチをして2〜3ヶ月でフルカラーなど上手に組み合わせていくこともできます。
ヘアマニキュア
ヘアマニュキュアは酸性染料と呼ばれていて、ヘアカラーと違い髪の毛の内部には干渉しません。髪の毛の表面を色付きセロファンで覆うイメージで色をつけていきます。そのため髪の毛自体を明るくすることはできないことと、ベースが暗いと色味がわかりにくいという特徴もあります。
ヘアカラーに比べてヘアメにキュアは、ダメージも少ないため白髪部分を地毛に合わせて染めたい方や、ヘアカラーが肌に合わない方にオススメの方法です。ヘアマニュキュアは肌や服についてしまうと落とすのがとても大変なため、絶対に地肌につけないように気をつけなくてはなりません。
何度か洗っているうちには落ちてくるのですが、その場ですぐに落とすのは困難なケースが多いので注意が必要です。色持ちも2〜4週間でメッキが剥がれるような形で少しずつ剥がれ落ちていきます。
ヘナ
ヘナは化学染料を使用しないで植物成分100%で構成されている肌にも優しいと言われている染料です。ヘナで染めると髪の毛のダメージも抑えられるだけではなく、ハリコシが出やすくなりツヤ感を出すことも期待できるのも特徴です。
ヘナの葉には褐色のローソンと呼ばれる色素が含まれていて、タンパク質に結合して色を定着させていく仕組みになっています。人間の髪の毛はケラチンというタンパク質で構成されており、ヘナでカラーすると褐色の色味が定着するようになっています。
ヘアマニュキュアと同様に黒い髪を明るくしたりはできないのと、色持ちが1ヶ月程度で染める時間が40分と少し長いのがデメリットとなります。
カラーシャンプー・カラートリートメント
カラーシャンプーやカラートリートメントは入浴の際に手軽にできるタイプのヘアカラーです。シャンプーやトリートメント自体に染料が配合されていて、一度での使用では薄いのですが何回か回数を重ねて行くにつれて色味が濃くなっていきます。
髪の毛の内部を染めるタイプではないのでシャンプーなどする度に、少しずつ退色していってしまうので週に2〜3回位に定期的な使用が求められます。ベースが明るいほど色味がわかりやすく、白髪部分も色の違いがわかりやすくなります。
カラーシャンプーやカラートリートメントはマイルドな染料なので、髪の毛の負担も少なく手間もかからないためオススメの白髪染め対策です。
部分用白髪隠し
部分用白髪隠しはファンデーションタイプやマスカラタイプがあり、朝のセットのときに顔周りや分け目の気になる白髪の部分にピンポイントでカバーする方法になります。髪の毛を染めるわけではなくマスカラのようにコーティングする形なため、洗髪すると1日で落とすこともできます。
白髪が少ない時期やヘアカラーをするまでの間のつなぎに使うこともできます。ポーチに入れて持ち運びもできるので、手軽に試せるのもメリットです。
3.白髪染めが手についたときの落とし方

白髪染めが手についてしまったときにはどうしたらよいのでしょうか。白髪染めは茶色や黒で手についてしまうと濃く目立ってしまい、気になってしまいますよね。そこで白髪染めが手についてしまったときは以下の方法を参考にしてみてください。
カラー剤は付着した瞬間から時間が経てば経つほどにしっかりと染まって定着してしまいます。手にカラー剤がついたとわかった瞬間にすぐに水で洗い流しておくと被害を最小限に抑えることができます。
また、ついた部分がかぶれてきたという方はアレルギー反応の可能性もありますので、症状がひどいと感じた際はこちらをご覧ください。
石けんを使う
白髪染めがついて時間が経っていないうちならば、まだ楽に落とせる可能性も十分にあります。石けんを泡立てて白髪染めで染まってしまった部分をこすり洗いをして落としてください。
時間がたち酸化してカラー剤が発色してしまうと落とすことが難しくなってきてしまうので早めの処置が大切です。石けんで落ちない場合、カラー剤を分解する効果があるといわれている食器用洗剤で試してみるのも有効です。
・用意するもの
(石けん、バケツや洗面器、ぬるま湯)
1.バケツ又は洗面器にぬるま湯をはります。
2.ぬるま湯に白髪染めがついてしまった手を数分つけてふやかしてください。
3.石けんを泡立てて染まってしまった部分を洗ってください。爪についてしまった場合は、爪用ブラシがあると落としやすくなります。
4.汚れが落とせたらお湯ですすぎます。
クレンジングオイルを使う
お家にあるメイクのクレンジングオイルでできる対処法になります。クレンジングオイルを白髪染めで染まってしまった部分に塗布して、なじませて乳化すると汚れを浮かせることができます。
濡れている肌に使用すると効果が半減してしまうので、乾いた状態でクレンジングオイルをつけるようにしてください。
・用意するもの
(クレンジングオイル、ぬるま湯、石けん、蒸しタオル)
1.白髪染めで染まってしまった手に乾いた状態のままクレンジングオイルをなじませていきます。
2.蒸しタオルで染まってしまった部分を覆って、数分蒸らせてください。
3.タオルをとり染まってしまった部分にぬるま湯を少しずつかけてクルクルなじませて乳化していきます。
4.染まった汚れが取れてきたらぬるま湯で流していきます。
5.石けんで洗って仕上げてください。
カラーリムーバーを使う
美容室でよく使われているのが、ヘアカラー専用のカラーリムーバーを使って落とす方法です。このカラーリムーバーは肌にも使用でき、顔周りや首元や手についたときにも使うことができます。
肌に使えるほどの優しいものなのでつけたらすぐに落とせるというよりは、コットンなどに染み込ませてしばらくつけ置きしておくことでカラー剤を薄くできるイメージです。
美容室の専売品ですがネットでも購入できるため、自宅でセルフカラーをよくする方は一つ持っておくと安心かもしれません。
・用意するもの
(カラーリムバー、コットン)
1.白髪染めで染まってしまった部分を、カラーリムーバーを浸したコットンで拭き取ります。
2.拭き取りだけでは落とせない場合は、そのままカラーリムーバーを浸したコットンを染まった部分にあててつけ置きします。
3.汚れが落とせたらカラーリムーバーを洗い流してください。
除光液を使う
手や肌の汚れを落とすのではなく、爪が白髪染めで染まってしまった場合に使える方法になります。除光液にはカラー剤を少し溶かす作用のある成分が配合されているため、白髪染めで染まってしまった部分も落とすことができる場合があるのです。
・用意するもの
(除光液、コットン)
1.除光液をコットンに染み込ませて、白髪染めで染まってしまった爪の部分にのせて数分時間を置きます。
2.時間が経ったらコットンを外して軽く拭き取ります。
3.除光液を洗い流してください。
※ジェルネイルをしている方は通常の除光液を使ってしまうとジェルネイルを溶かしてしまうので、ノンアセトンの除光液を使用してください。
4.やってはいけない対処法
ネットでも様々な対処法が紹介されていますが、中にはオススメできない方法も紹介されていることもあるので注意が必要です。以下のような対処法はオススメできないのでチェックしておいてください。
漂白剤を使う
漂白剤は服がカラー剤で染まってしまった場合などは有効な手段ですが、人の肌に使うことはオススメできません。漂白剤は非常に強い成分なため、人の肌についてしまうと肌を痛めてしまう可能性もあります。
メラニンスポンジでこする
手や肌についてしまった白髪染めのカラー剤を落とす方法で、メラニンスポンジを使ってこすって落とすと紹介されていることもありますが、これは肌に摩擦を与えてしまい負担が大きいので避けるようにしてください。
無理にこすりすぎて肌トラブルになってしまっては、カラー剤で染まるよりも厄介な事態となってしまいます。
5.手が染まらないようにするためには

カラーの際に手が染まらないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。予防策もご紹介していきます。
染めるときは必ず手袋をする
一番基本の対策となるのが、カラーをする際には必ず手袋をするということです。物理的にカラー剤から手を保護してくれるため染まってしまうことはなくなります。できればカラーを流す際も手袋をして洗い流せれば手が染まらずに施術できるようになるのです。
カラーシャンプー・カラートリートメントで染める
ヘアカラーではなくカラーシャンプーやカラートリートメントで白髪染めをすると、万が一手についてもすぐに落とすことができるため手を汚さずに施術することができます。手軽に白髪を染めることもできて髪の毛にも負担が少ない方法なのでオススメの方法です。
6.まとめ
気軽にできるセルフカラーですが、気をつけておかないと手まで白髪染めで真っ黒なんて事態にもなりかねません。せっかく髪の毛がキレイになっても真っ黒な手になってしまっては悲しいですよね。
手が染まらないためにもご紹介した対策を実践していただいたり、万が一染まってしまったらカラー剤を落とす方法を試してみてください。
また、お風呂場が汚れてしまった際の対処法、汚れ予防法もこちらからご確認くださいませ。
【本記事の要約】 セルフカラーは手軽に白髪を染める方法として多くの人に利用されていますが、染める際にカラー剤が手につくことがあり、落とすのが難しいことがあります。特に白髪染めの場合、色持ちが良くなるように薬剤が強めに調整されているため、手に染み付くと落ちにくくなります。白髪染めの薬剤は1剤と2剤に分かれており、アルカリ剤と酸化染料が含まれていることが多く、これが色素を髪に浸透させるため、カラー剤が皮膚に付くと時間が経っても取れづらくなります。もし白髪染めが手についた場合、まずはすぐに洗い流すことが重要です。しかし、無理にこすったり、酸性の液体で強く拭いたりすると、肌を傷つける恐れがあります。本記事では、白髪染めが手についた際の正しい落とし方、やってはいけない対処法、そして手が染まらないようにするための予防策についても解説しています。白髪染めは使い方に工夫が必要で、事前に手袋を着用したり、染まった部分をすぐに拭き取ることが予防につながります。正しいケアをすることで、手に染み付く問題を避けることができます。 |