そこで髪の毛のアンチエイジングは何ができるのでしょうか。そもそも髪の毛の老化とは何が目安になるのでしょうか。一言で老化といってもお肌と同じように症状は一つではありません。
今回はそんな髪の毛の老化の種類やそれぞれに効果的な対策まで詳しくご紹介させていただきます。
1.髪の毛の構造

髪の毛の構造は、外側からキューティクル→コルテックス→メデュラの順に並んでおり、3つの層から成り立っています。
・キューティクル…髪の毛の表面にうろこ状に重なり合うようにして、髪の毛の内部を守り保護する役目を担っています。ダメージによって剥がれ落ちてしまうと髪の毛の痛みに繋がります。
・コルテックス…2つの組織の間に位置するコルテックスは、髪の毛の内部を形作る役割の組織で、髪の毛全体の90%を占めています。髪の毛のハリコシの強さはこの部分の質で決まります。
・メデュラ…髪の毛の中心にある組織で太い髪の毛には多く、細い髪の毛ほど少ない傾向にあり、新生児など髪の毛が細すぎる髪の毛には存在しないこともあります。役割についてはまだ解明されていない組織です。
このような構造の髪の毛が、一定のヘアサイクルにしたがって成長して抜けていくのが一般的です。成長期→退行期→休止期のヘアサイクルを女性ですと平均4〜6年ほどかけて一周していきます。
・成長期…髪の毛全体の80〜90%がこの成長期であるとされています。頭皮の根元にある毛乳頭が活発に活動して髪の毛を成長させていく時期です。
・退行期…毛乳頭の活動が低下していき、血管や神経が集まっている髪の毛の成長を促す役割の毛球部も萎縮してしまい、徐々に小さくなってしまいます。
・休止期…毛乳頭の活動が完全に停止してしまいます。休止期の間に毛根では新しい髪の毛を作る準備をしており、その新しい髪の毛に押し出されるようにして古い髪の毛は抜け落ちていきます。その後また新しい成長期に移行していきます。
髪の毛は1ヶ月で約1cm伸び、健康的な髪の毛でも1日50〜150本ほど抜けると言われています。個人差はありますが、抜ける本数がこれ以上極端に多いと、何かしらのトラブルが起きてしまっている可能性があります。
2.髪の毛の老化とは

髪の毛の老化とはどのような症状が現れるのでしょうか。一つづつみていきます。
白髪
人目でわかりやすく、お悩みの方も多いのが白髪です。白髪がでる時期は個人差があるのですが、30代半ばあたりからチラホラ増え始めてきて年々増加していくケースがほとんどです。
はじめは数本見つけるくらいだったのが、だんだん割合が増えていくので対処が難しくなってきます。生え際や分け目など目立つ部分に多く生える傾向があるので日常生活でも気になりやすくなってしまいます。
うねり
元々サラサラストレートが自慢であった方でも、老化によってうねりが出てきてしまうことが多いです。元からクセ毛の方の場合は少し分かりづらいサインかもしれませんが、ストレートやクセの少ない方は今までと違う髪質にびっくりしてしまうかもしれません。
パサつき
いつも通りにケアしていたはずなのに、最近パサつきがひどいと感じたら老化のサインかもしれません。ダメージが蓄積してもパサつきは気になるので判断が難しいですが、今までのケアや髪質と比べて変わったことがないのであれば、老化の可能性が高くなります。
抜け毛 薄毛
毎日髪の毛は50〜150本抜けるとされているので、それ以上多く抜けてしまう状態が続くと抜け毛が気になり最終的には薄毛が気になってしまいます。抜けた毛を数える事はできませんが、お風呂の排水溝に溜まった髪の毛の量や、枕についた髪の毛の量を抜け毛が多すぎないか、日頃からチェックする習慣をつけてみてください。
ハリコシ
老化が進むと髪の毛の質も少しずつ変わっていき、髪の毛のハリやコシがなくなってしまい、ボリュームダウンしてしまいます。ハリやコシがないと髪の毛の立ち上がりも悪く、ペタッとした印象になってしまいさらに老け込んで見えてしまいます。
3.髪の毛の老化の原因は

髪の毛の老化とは何がきっかけで起こるのでしょうか。原因も深堀してみます。
頭皮の老化
髪の毛の健康には頭皮も密接に関係しています。髪の毛が老化するということは、頭皮も老化している可能性があるとされているのです。顔の皮膚と頭皮は同じ1枚の皮で繋がっていて大まかな構造はほとんど同じです。
お肌が老化するとシワやハリがなくなるように、頭皮も老化すると同じような現象が起きてしまいます。そうなると健康的な元気な髪の毛が育まれていかなくなってしまい、ハリやコシがなくなったり、細毛や薄毛に繋がったりと影響を及ぼしてしまいます。
ホルモンの影響
若々しい髪の毛を保つためには、女性ホルモンのエストロゲンが必要とされます。このホルモンは20代に一番多く分泌されており、30代以降年々減少していくのです。
妊娠や出産でもホルモンバランスが変わってしまい、一時的に抜け毛が目立つこともありますが、元のホルモンバランスに戻るに連れて解消していきます。
エストロゲンはヘアサイクルに影響を与えたり、髪の毛の成長や太さにも関わっている大切なホルモンです。このホルモンは、退行期や休止期を抑える役割があるのですが、エストロゲンが減少してしまうとうまく抑えることができずヘアサイクルが乱れてしまいます。
女性の老化による抜け毛や薄毛の原因がホルモンの影響を受けている事が多く、成長期の髪の毛がホルモンの現象によって現象してしまうことが原因の一つとなっています。
このホルモンが減ってしまう原因は下記のようなケースが考えられます。
・出産
・過度なダイエット
・生活習慣の乱れ
・老化
出産や老化は人間の体の仕組み上、防ぐことは難しいとされています。生活習慣も乱れやダイエットなどは気をつけてあげることで改善できる項目となっているのです。
髪の毛の水分量の減少
健康的な状態の髪の毛の水分量は12%前後とされておりますが、老化が進み乾燥した状態になると7%以下となってしまい水分量が減少します。水分量が減少してしまうと髪の毛の周りを保護しているキューティクルが剥がれ落ちてしまい、髪の毛の内部の水分も流出してしまい髪の毛の水分はさらになくなってしまいます。
そのまま乾燥状態にしておくと、髪の毛のパサつき、うねりもひどくなってしまうので放置は厳禁です。
4.老化を防ぐためには

健康的な髪の毛を維持するために少しでも老化を遅らせたいですよね。今からできる対策をご紹介させていただきます。
生活習慣の見直し
生活習慣が乱れてしまうと老化を加速させてしまう恐れがあります。規則正しい生活を心がけることが老化を防ぐのに効果的です。
・食生活
食べるもので頭皮環境にも影響が出てしまいます。ジャンクフードや揚げ物など脂っこい
ものばかり食べていると皮脂の過剰分泌の原因になってしまいます。控えめにしてタンパク質、ビタミン、ミネラルなどを積極的に取り入れることを意識してみてください。
・睡眠
睡眠不足が続いてしまうと、髪の毛の成長するために必要な成長ホルモンの分泌が低下してしまいます。22〜2時の間に多く分泌するとされているのでこの時間に7〜8時間は睡眠時間を確保できるように改善してみてください。
正しくシャンプーする
髪の毛の老化を少しでも防ぐためには、頭皮環境を整えてあげることが大切です。正しくシャンプーをすることが予防策にも有効なので見直してみて下さい。
1.乾いた状態の頭皮全体をクッションブラシでとかしていき、頭皮や毛穴の汚れを浮かせていきます。かたいブラシだと頭皮を傷つけてしまう恐れがあるので毛先が玉状になっているものやクッションブラシがオススメです。
2.ぬるま湯で地肌から髪の毛までしっかりと全体をすすいでください。この予洗いで7〜8割の汚れを落とすことができるので、地肌を中心に念入りに洗います。
3.シャンプーを全体がモコモコに泡立てます。地肌に油分が多いと泡が消えてしまうので、泡立ちが悪い時は一度流してから再度泡立ててください。
4.爪を建てないように指の腹を使って、軽めに全体を洗ったら一度シャワーで流していきます。
5.もう一度シャンプーを泡立てて今度はしっかり洗っていき流します。モコモコの泡で洗うことによって、髪の毛を摩擦から守ってくれて泡が頭皮の汚れも吸着しやすくなります。
6.中間から毛先にかけてトリートメントを馴染ませて少し時間を置きます。根元付近につけてしまうと頭皮に詰まりやすくなるので少し空けてください。
7.耳後ろや首元など流し残しがないように念入りに流してください。地肌などに流し残しがあると頭皮トラブルに繋がるので注意が必要です。
ドライヤーの使い方
毎日使っているドライヤーの使い方を意識したことがない方が多いのではないでしょうか。乾かすのが面倒ではやく乾かすことばかり考えてしまいがちですが、使い方次第で髪の毛や頭皮へダメージを与えてしまうのです。
少しのポイントを抑えるだけで対策ができるので是非取り入れてみてください。
また、お風呂をでた後の自然乾燥や乾かさないで放置も髪の毛のダメージに繋がり、地肌の雑菌の繁殖やニオイの元になるので素早く乾かしてください。
1.タオルドライで優しく地肌と髪の毛の水分をふきとります。この時にゴシゴシすると摩擦で濡れた髪の毛は痛みやすいので気をつけます。
2.アウトバストリートメントを中間から毛先に馴染ませて保護します。オイルタイプやミルクタイプなど、お好みのものでかまいません。ドライヤーの熱や摩擦から守ってくれるので必ず使用することをオススメします。
3.地肌から20cmほど離して、熱く感じない距離を保ちながらドライヤーをあてていきます。左右にドライヤーを振りながら乾かすとさらに分散されます。
4.はじめに地肌中心に全体を乾かしていき根元を先に乾かしてください。
5.8割ほど乾いたら上から下に向けてキューティクルの向きを揃えるように乾かしていきます。この時に中間から毛先も乾かしていきます。この時にキューティクルを整えてあげることで艶が出てまとまりも良くなります。
6.最後に冷風をあててキューティクルを閉めることで、仕上がった形を定着させます。
5.まとめ
髪の毛の老化は年齢を重ねていけば、誰にでも起きてしまう現象です。ホルモンの働きを変えることは困難ですが、正しいケアさえしていれば症状を最小限に抑えてあげることが可能になります。
少しでも当てはまると感じたらはやいうちに対策を講じることで、防ぐことのできる可能性が高くなります。今回ご紹介したケアに加えて、老化特有の乾燥をカバーするために保湿効果の高いシャンプーやトリートメントを使用してあげることもとても有効です。
今できることからはじめて、いつまでも若々しい髪の毛を維持できたら素敵ですね。(参考)
【本記事の要約】 近年、アンチエイジングはお肌だけでなく髪の毛にも適用されるようになり、髪の老化を防ぐための方法が注目されています。髪の老化の目安は、髪の質やコシ、ツヤの減少などが挙げられます。髪の毛はキューティクル、コルテックス、メデュラの3層構造から成り立っており、それぞれが髪の健康に重要な役割を担っています。髪の老化の原因には、加齢やホルモンバランスの乱れ、環境的要因(紫外線、ストレス、栄養不足など)があります。老化を防ぐためには、規則正しい生活、ヘアケアの見直し、栄養補給、紫外線対策などが必要です。髪の健康を守るためには、日常的なケアと予防が重要であり、適切な対策を講じることが若々しい髪を維持するための鍵となります。 |