その白髪、ストレスが原因かも!?ストレスで白髪が増えるメカニズム

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ストレスを感じている人って白髪は多くなりがちなイメージありますよね?実は、そのイメージは概ね「正解」。
ストレスが原因で艶やかだった黒髪も徐々に白髪になってしまうことがあるのです。
でも、それはどうしてなのでしょうか?メカニズムを調べてみましょう!

 

ストレスは白髪の大敵!


白髪は『白髪が生えるのには理由があった!?メカニズムを知って白髪対策』でもお話したように、次の2点の原因によって生まれたての髪の毛に黒色色素メラニンが混ざらなくなることで生まれます。

1. 作られるメラニンがなくなっている/量が減っている
2. 毛母細胞にメラニンを供給しにくくなっている



これらのメカニズムは、それぞれ疾患や加齢によるメラノサイトの減少やメラニンを作る酵素の減少・消失によって起こったり、毛根まで運ばれる栄養が不足していたりなど様々な要素によって起こると考えられています。
そして、今回のテーマであるストレスもそんな白髪の原因を作る要素のひとつ。ストレスは1のメラニンの量の生成にも2のメラニンの運搬にも影響を与える可能性が指摘されています。

ストレスで白髪が生えるメカニズム


ストレスが元になって白髪になる場合、いくつかの行程を踏むことになります。そこで、その行程を白髪の原因1,2にわけてまとめてみました。

作られるメラニンがなくなっている/量が減っている場合のメカニズム


メラニンの量が減る/作られない状態とは?



メラニンは、毛根の根本にある毛乳頭から毛母細胞に根を張るような形で位置しているメラノサイトで作られることになります。
このメラノサイトの数が少なかったりメラニンを作る酵素が作られにくい体質や疾患があったりなどが白髪の原因のこともありますが、そうでない場合は栄養や酸素がうまくメラノサイトまで届いていない可能性があります。
栄養や酸素は毛乳頭まで張り巡らされている毛細血管からメラノサイトまで送られます。
その際、何らかの理由で輸送がストップしてしまったり減ったりしてしまうと、メラニンを作る材料が足らず生成量が減ったり作られなくなったりしてしまうのです。

ストレスで髪の毛に栄養が届かなくなるメカニズム


そんな栄養が届かない場合、食事のバランスが悪いなどの理由も考えられますが、血行不良が原因になっていることもあります。血行不良は長時間同じ姿勢をしていることなどによるコリなどでも起こりますし、睡眠不足や運動不足などでも起こりやすくなります。
そんな血行不良はストレスが原因で起こることもあり、その場合は自律神経の働きと深く関わっています
自律神経には交感神経と副交感神経があり、それぞれ次のような特徴があります。

・交感神経:ストレスを受けている時に活発になり、筋肉を固くして全身を緊張状態になる
・副交感神経:リラックスしている時に活発になり、筋肉を弛緩させて身体を休ませる


この2つの神経がバランスよく働くことで身体は最高のパフォーマンスを行うことができるわけですが、睡眠をはじめとしたリラックスタイムが減りイライラすることが多い現代人は交感神経が優位になりがちになります。交感神経ばかり働かせていると、身体はずっとこわばった状態に・・・。そうすると身体の血行は悪くなってしまうことになります。
血行が悪くなるとメラニンの材料であるアミノ酸「チロシン」や酵素「チロシナーゼ」などの栄養が毛根まで届きにくくなります。すると、メラニンを作る量は減って髪の毛の色素は薄くなってしまいますし、髪の毛の代謝も落ちてしまうというわけです。
ストレスでメラニンを作る量が減ったりなくなったりというメカニズムをまとめると、次のようになります。

①ストレスを感じる
②自律神経が乱れる
③慢性的な血行不良になる
④毛根の栄養不足
⑤メラニンを作れず白髪になる


毛母細胞にメラニンを供給しにくくなっている場合のメカニズム


毛母細胞にメラニンを供給しにくくなっている状態とは?


メラノサイトのメラノソームの中で生まれたメラニンは、枝状に伸びる管を通りながら増殖し、毛母細胞付近にたどり着くと食作用で取り込まれることになります。
そうすることで、最初は白髪だった髪の毛は徐々に茶色や黒色などに着色されていくことになります。
ところが、メラノサイト内での運搬や毛母細胞への取り込みが上手くいかなくなることもあります。それが「毛母細胞にメラニンを供給しにくくなっている」という状態です。
そのような状態になってしまったら、メラノサイトでメラニンが作られても髪の毛に色をつける事はできなくなってしまいます。なんだかもったいないですよね。

ストレスでメラニンの運搬が上手くできなくなるメカニズム


ストレスが原因でメラニンの運搬が滞ってしまうのには活性酸素が影響していると考えられています。活性酸素は細胞を傷つけ、メラニンを産むメラノサイトまで傷つけてしまうこともあります。

メラノサイトは活発に働いている時には木の枝を拡げているような形をしていますが、その枝部分が傷ついてしまうとメラニンの運搬は行われにくくなってしまいます。また、メラノサイト自体がなくなってしまうこともあり、そうなると当然メラニンも作られなくなってしまいます。
紫外線を受けることなどで生まれるイメージがある活性酸素ですが、実はストレスから解放された瞬間にも大量に発生することが分かっています。
その原因は上記の自律神経系が切り替わる時に起こる血流量の変化にあります。緊張状態では血流が悪くなりますが、その緊張から解放された瞬間には血管が拡張されて急激に血液が流れ込むことになり、その時に活性酸素も多く発生するのです。
ストレスでメラニンの運搬が上手くできなくなるメカニズムは、次のようになります。

①ストレスを感じて自律神経が優位になり、血流が悪くなる
②ストレスから解放されて血流が回復するとともに大量の活性酸素が発生する
③毛根の毛母細胞やメラノサイトを傷つける
④メラノサイトから毛母細胞に上手くメラニンを運搬できなくなる


 
また、疲れやストレスを感じた時に大量に甘い物を食べたりお酒やタバコを吸ったりしがちですが、これらも活性酸素が発生する原因になります。
ここでは、ストレスと活性酸素についてを中心にお話しましたが、こういったメラノサイトの傷や消失は単純に頭を掻いたり擦ったりなどの物理的な刺激でも起こります。イライラした時に頭を触るクセがある人は注意してください。

ストレス性の白髪を予防・改善するには?


ストレスによる白髪のキーになっているのは『自律神経の乱れ』と『活性酸素』。

自律神経の乱れを防ぐためには規則正しい生活を行うことが大事です。朝起きたら日の光を浴び、夜は睡眠前にリラックスして深い眠りにつけるようにすると整いやすくなりますよ。また、「最近ストレスを感じる時が多いな」と感じる時には適度に運動するなどをして上手く気分転換をするのがおすすめです。
活性酸素は髪の毛だけでなくお肌にも関わってくる美容や健康の大敵。大量発生を防ぐためにはよく寝てよく食べて「イラッ」とする回数を減らすようにしたいですね。また、ある程度の嫌なことは軽く流すようにしたいところです。
ストレスが白髪の原因となっている場合にはいくつもの理由が絡んできますし、メカニズムも1つではありません。もちろんストレスのほかにも白髪の原因はありますが、ストレスが白髪に与える影響というのは大きいのだということはいえそうですね。






【本記事の要約】
ストレスによる白髪の生成は、主に2つのメカニズムを通じて起こります。
1. メラニン色素の生成低下メカニズム:
- ストレスによる自律神経の乱れ(交感神経優位)
- 血行不良の発生
- 毛根への栄養供給不足
- メラニン生成の減少・停止
2. メラニン色素の供給障害メカニズム:
- ストレス解放時の急激な血流回復
- 大量の活性酸素発生
- メラノサイトや毛母細胞の損傷
- メラニンの運搬障害
予防・改善には、自律神経の乱れと活性酸素の抑制が重要です。規則正しい生活、十分な睡眠、適度な運動、ストレス解消法の確立が効果的です。また、ストレス時の過度の甘い物摂取、飲酒、喫煙、頭を掻く等の行為も活性酸素を増加させるため注意が必要です。
白髪の発生は複数の要因が絡み合って起こるため、総合的なストレス管理と生活習慣の改善が重要となります。

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