CONTENTS
1.白髪染めの頻度から察すること
2.年齢を重ねるごとに白髪がディープな問題に
3.白髪問題の背後に潜む違和感
4.白髪によるストレスを助長するもの
5.人目を気にしないための方法
6.言うは易く行うは難し
⒈白髪染めの頻度から察すること
私は実家暮らしであり、55歳の父と54歳の母と同居をしています。
父と母は、白髪が伸びてくるたびに、ともに白髪染めに必死です。ドラッグストアで買ってきたと思われる白髪染めのパッケージを、お風呂場に持ち込む姿を頻繁に見かけるのです。
繰り返し目に移るその姿から、「白髪は、招かれざるもの」という認識を持っていることが伝わってきます。
また、父も、母と同様に白髪から逃れようとしている姿を見ていると、「髪は女の命」という言葉とは裏腹に、男にとっても、髪は極めて重要度が高いものであることがわかります。
「ハゲ」というユーモアさと残酷さを兼ね備えた言葉を、世の男がどのように捉えているかを想像すれば、なおそのことがうかがえるでしょう。
⒉年齢を重ねるごとに白髪がディープな問題に
ある日、私が台所の掃除をしていた際に、隣の部屋のリビングから次のような会話が聞こえてきました。
母「白髪の量が増えてしまって嫌だわ」
父「ワシも最近増えてきた」
母「気持ちはまだまだ若々しいのに、少しずつ老化が進行していって、憂鬱。はぁ……」
父「同じく……」
会話の様子から、白髪がいかにディープな問題であるかが伝わってきました。思い返してみれば、十数年前、私が十数歳のころは、両親ともに白髪が比較的軽い悩み事でした。
白髪が生えてきた際には、「頭のてっぺんの部分に、白髪が生えてきてしまった~。切ってもらえる?」とお願いをされたり、ちょっとした愚痴をこぼされたりするだけでした。
しかし、いつの間にか、そういった会話はしなくなっていました。
当人たちに唐突に「白髪の話題出さなくなったね」と切り出すのも、意味深であるので、直接は聞けません。
おそらく、歳を重ねるごとに、白髪に対する悩みの深刻さがまし、悩みを分かち合える歳ではない息子(私)にこの手の話をする気力が薄れていったのでしょう。白髪というヘアトラブルの深刻さを、そういったさまざまな要素からひしひしと感じます。
⒊白髪問題の背後に潜む違和感
私とて他人事ではありません。白髪は、老化の症状の一つであり、歳を重ねるとともに必ず生えて(増えて)くるものです。
両親が抱えている問題、自分がこの先に生じる問題、そのことについてベッドに寝そべりながらボーっと考えているときに、ある違和感がよぎりました。
その時は、その違和感が何なのかを言語化できませんでした。そのような状態で、Twitterで流れてくる情報をスクロールしているうちに、あるツイートが目に留まりました。
それは、十文字学園女子大学の准教授である東畑 開人さんが自身の学生に、「コロナ時代に辛くなったこと、楽になったこと」についてアンケートを取った、というものでした。
その結果は、次のようなものでした。
「多くの学生にとって、コロナ時代に辛くなったことは『人と会えないこと』。楽になったことは『人の目を気にしないで済むようになったこと』。
出典:https://twitter.com/ktowhata/status/1253677315025850368 」
この時に、白髪についてアレコレ考えているときに感じた違和感を言語化できそうになりましたが、まだ一押し足りませんでした。
それからまた、時が流れ、noteで活動をしているpinacoさんの記事を見かけました。pinacoさんは、地元にいる際には、定期的に白髪染めをしていました。しかし、転勤により引っ越しをしてからは、次のような考え方に変わったのでした。
「帰省しなくなったということは、親しい人に会わなくてよくなったということで。
なので、白髪が多くて、毎月のように白髪染めをしてたんだけど、この際、もう白髪染めを辞めようと思ったのです。
引用元:白髪とともに…|pinaco|note」
この時に、これまで言語化できていなかった、その違和感の正体に気付きました。
白髪を取り巻く問題において、当事者にストレスを引き起こす一番の要因は、「人目が気になる」という内面的な問題にあるのではないかと気付いたのでした。
⒋白髪によるストレスを助長するもの
伸びきっていた白髪に気付くのが遅れてしまった際に「職場の人に見られたかも……」「お出かけ中に、誰かに注目されていたかも……」と恥ずかしさを感じてしまったことがありませんか。
別の例ですと、家でくつろぐ際に髪がボサボサな状態で過ごしても気にならない一方で、外出する際に髪がボサボサな状態で過ごすことは耐えがたいことではありませんか。
それらの背後にあるのは、「人目が気になる」という心理ではないでしょうか。
当然ながら、そういった気持ちの他にも「いつまでも若々しくいたい。綺麗な髪を維持したい」という美的欲求もあるでしょう。ただし、上記の要素を踏まえると、白髪を気にしてしまう一番の理由は「人目が気になるから」ではないでしょうか。
したがって、「人目を気にしない」ようにすれば、白髪のストレスを減らせるかもしれません。
⒌人目を気にしないための方法
では、人目を気にしないためには、どうすればよいのでしょうか。それは白髪に対する捉え方を、少しだけ変えてみることです。
私は2つの案を思いつきました。1つ目は、「他人の視点で、自分のことを捉えてみること」です。2つ目は、「今元気に生えてきている、黒髪に少しの感謝の気持ちを持つこと」であります。
他人の視点で、自分のことを捉えてみる
多くの人は遅かれ早かれ白髪が生えてくる運命を背負っています。これはつまり、仮に、周りの誰かが白髪になっていたとしても、「○○さん白髪生えてきたよ」と噂をできる、立場でもなかったりするということです。
むしろ、他人の白髪を見た際に、「仲間」という印象を抱くのではないでしょうか。
このように、「自分が思っているよりも、他人は自分の白髪をネガティブに捉えていない」と考えることにより、人目を気にしづらくなれるのではないでしょうか。
黒髪に少しの感謝の気持ちを持つ
白髪が生えてきた際には、その数本から数十本に意識を奪われてしまいがちであります。しかし、見方を変えると、9割以上の黒髪はいまだ元気に生えてきてくれています。
ないものに目を向けるのではなく、今あるものに目を向け、少しの感謝の気持ちを持つことにより、白髪に対する嫌な気持ちが薄れ、人目を気にしづらくなれるのではないでしょうか。
⒍言うは易く行うは難し
「人目を気にしない」という状態は理想的でありますが、「言うは易く行うは難し」でもあります。「気にしないようにする!」と意気込んでも、数日後の朝、洗面台の鏡でまた白髪が増えているのを見かけてしまった際には、どんよりとした気持ちになるかもしれません。
しかし、今回ご紹介した考え方を意識することにより、少しずつ白髪からのストレスを減らせていけるかもしれません。
【本記事の要約】 白髪は、年齢を重ねるにつれて多くの人が経験する自然な現象ですが、多くの人が白髪を気にして誰もが経験する自然な現象であり、遺伝や加齢以外にも、生活習慣やストレスストレスを抱えています。筆者は、自身の両親の白髪染めに対する意識や、SNSでの情報から、白髪に対するストレスの根源は「人目が気になるが影響することもあります。しかし、白髪に対する周りの反応や自身の美的意識から、白髪は多くの人の心を悩ませる問題となっています。記事では、著者の両親の白髪染めに対する行動や、自身の白髪に対する葛藤を通して、白髪が抱える問題の深さを描写しています。さらに、周りの人に白髪を見られてしまうことへの不安や、常に若々しくいたいという願望が、白髪に対するストレスを助長していることを指摘しています。 白髪に対するストレスを軽減するためには、白髪に対する捉え方を変えることが重要です。周りの人は自分の白髪を思っているほど気にしていない、今ある黒髪に感謝をするといった視点を持つことで、人目を気にしすぎず、白髪とより穏やかに付き合えるようになるかもしれません。 白髪は避けられない現実ですが、考え方を変えることで、白髪に対するストレスを軽減し、より穏やかな気持ちで過ごせるようになることを期待できます。 |