そこで、今回はメラニン色素の生成に役立つ栄養素「ビタミンB12」がどのような白髪予防・改善効果を発揮してくれるのかや豊富に含まれる食べ物、おすすめのレシピについて紹介してみたいと思います。
1. ビタミンB12は白髪対策におすすめ!

ビタミンB12は、メラノサイトの機能を活性化する役割を持つ栄養素です。メラノサイトの働きが活性化されるとメラニン色素が増加します。 髪の毛の色は、このメラニン色素の量で決まるので、メラノサイトが活性化されることは白髪の白髪の予防にも効果が期待できるということになります。
最近の研究によると、 ビタミンB12のサプリメントを一定期間摂取した人のうちおよその6割の人に白髪の改善がみられたといわれています。
サプリメントを利用するのも1つの方法ではありますが、健康的に白髪予防をするという点を踏まえてここでは新鮮な食材を食事でしっかりと補っていく方法について紹介していきたいと思います。
1日に必要なビタミンB12の摂取量

成人男性 1.2μg(可能なら1.4μg)、成人女性 1.0μg(可能なら1.2μg)とされています。
白髪が気になる30〜50代の女性なら1〜1.2mgのビタミンB12を摂取するのが理想的ということになりますね。妊娠中、授乳中であればさらに4mgほど多めに摂取することを意識すると良いでしょう。
ビタミンB12は魚介類に多く含まれるという特徴があります。ビタミンというと野菜をイメージする人が多いかもしれませんが、ビタミンB12については植物性の食品にはほとんど含まれていません。そのため、魚介類と野菜の組み合わせで摂取すれば他のビタミン群と一緒に摂取することができます。
ビタミンB12が多く含まれる食べ物

ビタミンB12が多く含まれている食べ物(100gあたりの含有量)
・しじみ 62.4μg
・赤貝 59.2μg
・あさり 52.4μg
・いくら 47.3μg
・秋刀魚 焼き 19.3μg
・秋刀魚 生 17.7μg
・イカの塩辛 16.7μg
・めざし 14.6μg
・牛レバー 52.8μg
・鶏レバー 44.4μg
・豚レバー 25.2μg
・味付け海苔 58.1μg
・焼き海苔 57.6μg
・煮干し 41.3μg
・鰹節 14.5μg
ビタミンB12は、主に魚介類に多く含まれます。
生と加熱で含有量が変わることもあるので注意が必要です。上の表で見ると、焼き秋刀魚と生の秋刀魚の含有量を比べると、生の方が2.4μgほど少ないことがわかります。
秋刀魚はおおよそ120〜200gほどのサイズが一般的と言われていますので、含まれるビタミンB12の量は生秋刀魚でおよそ20μg〜40μgとなります。
もう一つ知っておきたいことがあります。それは、ビタミンB12は比較的熱には強いと言われているのですが、一部の研究によると電子レンジで加熱調理すると著しく含有量が減少するという報告もされています。
そのため加熱するなら電子レンジではなく火を使うことをおすすめします。
ビタミンB12を摂取する時に注意する点

ビタミンB12はコバルトという成分を含む化合物です。コバルトはミネラルの一種です。悪性貧血を予防したり、神経の機能を正常に保つ役割をします。役立つ成分です。水やアルコールに溶けやすい性質があって、光で分解されやすい性質なのが特徴です。
栄養素によっては過剰摂取によって体に影響を及ぼすものもありますが、ビタミンB12については過剰に摂取された分は自然と体外に排出されるようになっていますので特別心配する必要はありません。
逆に考えると大量に摂取したからと安心していても必要な分しか体内には取り込まれていないので、適量を毎食ごとに摂取することが白髪予防には大切なポイントとなるでしょう。
さらに一緒に摂取すると良い栄養素としては、葉酸が挙げられることが多いです。妊娠を経験した人だと葉酸を摂取した方がいいということを聞いたことがあるかもしれませんね。
葉酸には、ビタミンB12と同様に血液を作り出す役割があります。黒い髪を生み出すには血流をよくして栄養素をしっかりと頭皮に運んでもらう必要があります。そのため、ビタミンB12と葉酸を一緒に摂取することでメラノサイトの活性化につながると考えられているのです。
2. 編集部おすすめ!ビタミンB12がたっぷり摂れる料理レシピ
それでは、ビタミンB12を豊富に摂れるおすすめのレシピをチェックしてみましょう!
おすすめレシピ①いわしととろろの梅まぶし丼
いわしをただ焼いて食べるだけでもビタミンB12は十分に摂取できますが、もっと美味しく食べたいと思いませんか?そんな時におすすめなのがちょっとしたひと手間でできるこのどんぶりです。梅干しとビタミン群が疲れた体を癒してくれる効果も期待できるのでお疲れ女子にもおすすめの一品です。
材料(2人分)
・刺身用いわし 130gくらい
・長芋 150g
・ねぎ お好みで
・塩昆布 10g
・梅干し 1個
・みそ 小さじ1
・醤油 小さじ2分の1
・大葉 3、4枚
・ご飯 2人分
作り方
①長芋の皮をむいて適当な大きさに切り、ポリ袋に入れます。少し塊が残る程度まで麺棒などで叩いて潰します。
②①に塩昆布を加えて全体にもみ込んでなじませます。
③ねぎをみじん切り、梅干しは種を取り除いてから叩いておきます。
④いわしの水気を取り、皮を剥ぎます。横に約5mmほどの大きさに切ってからさらに細かく刻みます。
⑤ボウルに梅干し、醤油、みそを入れて混ぜたら、そこに④とねぎを加えて混ぜます。
⑥ご飯の上に①と⑤を乗せてお好みで大葉をちぎって散らしたら完成です。
注意したいポイント・コツ
少し手間を省きたい人は、山芋はすりおろしたものを使用するのもおすすめです。梅干しもチューブがありますね。
最後の方は温かいお茶をかけてわさびを添えて食べるとさらに味が変わって2度楽しめますよ。
より多くのビタミンB12を摂取した場合には、いわしをみりん干やまる干のものにしてもOKです。生のいわしでも100gあたり9μgほどのビタミンB12が含まれているので十分ですが、みりん干やまる干で作るとより濃い味が楽しめるでしょう。
また、いわしだけでなく他の魚での応用も効きますのでぜひ試してみてください。
おすすめレシピ② 青のりとチーズの絶品ゼッポリーニ

ゼッポリーニという名前を初めて聞くという人もいるかもしれませんね。ゼッポリーニは、イタリア・ナポリの家庭でよく作られている揚げ物料理のことです。
正式にはゼッポリーネと言われ、ピザ生地に海藻を混ぜ込んで油であげた揚げパンのようなものをいいます。イタリアではあまり海藻を食べる習慣がないのですが、ゼッポリーネだけはよく作られているようです。
今回はこのゼッポリーネを日本風にアレンジして、ビタミンB12が豊富に含まれている青のりを使ったレシピを紹介したいと思います。青のりだけでも美味しいですが、さらにあと引く美味しさになるようにチーズも入れてみました。チーズはおいしいだけでなく白髪対策に欠かせないチロシンという栄養素も豊富です。
女性の白髪予防だけでなく子どもさんのおやつにもおすすめなのでぜひ作ってみてくださいね。
材料(2人分)
・薄力粉 15g
・強力粉 30g
・青のり 小さじ2杯
・塩 少々
・ぬるま湯 40ml
・インスタントドライイースト 1g
・揚げ油 適量
・粉チーズ 適量
作り方
①ボールにインスタントドライイーストとぬるま湯を入れて溶かします。
②①に薄力粉、強力粉を入れてヘラで練り混ぜます。ある程度まとまってきたらラップをして40〜50分ほど発酵させます。一回りほど大きくなるのが目安です。
③揚げ油を160℃に予熱します。耐熱のスプーンで生地をすくって油に落とします。
④大きく膨らんだら油を切って熱いうちに粉チーズをまぶします。これを繰り返せば完成です。
注意したいポイント・コツ
注意したいのは、青のりとあおさを間違えないことです。え?同じじゃないの??と思った人もいるかもしれませんね。
実は青のりとあおさは別ものです。見た目が似ているというかほぼ同じなので間違える人も多いと思います。
青のりよりあおさの方が価格的に安いので、見た目が同じなら安い方でいいやと思っていつもあおさを買っている主婦も多いはずです。
ただ、白髪予防のために摂取するなら断然青のりをおすすめします。なぜなら青のりに含まれるビタミンB12の量は100gあたり31.8μgなのに対してあおさは同量で1.3μgとこんなにも差があるからです。
ゼッポリーニを作る際には、ぜひ青のりを使うことをおすすめします。
3. ビタミンB12で若見え効果も期待

ここまで見てきたように、白髪予防に効果が期待できる栄養素ビタミンB12は、血液の流れをよくして頭皮にしっかりと栄養素を届ける働きをしてくれます。
さらに血流がよくなると黒髪の要因でもあるメラノサイトの働きが活発化するため、白髪の予防にも効果的とされています。
血行不良が改善されることで肌の色艶もよくなり、くすみ感も少なくなり、より若々しく見えるようになるでしょう。
とはいえ、白髪の予防には、ビタミン1B2以外の栄養素もバランスよく摂取することが大切です。別の記事ではそれらの栄養素について紹介していますので、この記事と併せてぜひ参考にしてみてください。
【本記事の要約】ビタミンB12はメラノサイトを活性化し、メラニン色素の生成を促進する重要な栄養素です。成人女性の1日の推奨摂取量は1.0~1.2μgで、しじみ、赤貝、あさり、いくら、レバー、海苔など、主に魚介類や動物性食品に豊富に含まれています。サプリメント摂取では約6割の人に白髪改善効果が見られたとされ、葉酸と一緒に摂取することで血流改善と栄養供給に効果的です。過剰摂取の心配は少なく、電子レンジ以外の加熱調理で栄養価を保つことができます。 |