そこで今回はどのようにして栄養が髪の毛に届くのかを調べてみました!
栄養を髪の毛に送り届けるメカニズムについて詳しく知ることは、効果的な白髪ケア方法を見つける手掛かりにもなりますよ。早速チェックしてみましょう!
1. 黒髪が生えるメカニズムを知ろう!

毛母細胞で作られる髪の毛はもともと白い色をしていますが、この白い髪の毛を黒く着色するのがメラニン色素です。頭皮にあるメラノサイトという細胞で生成されたメラニン色素が、髪の毛の生成を行う毛母細胞に取り込まれることで黒髪が生えることになります。
まずは、そんなメカニズムについて詳しく知っていきましょう!
2. 髪の毛に色が入るまで
髪の毛や肌の色を決めるのがメラニンです。メラニンはメラノサイトとよばれる細胞で生成されますが、加齢によってメラノサイトの機能が低下し、生成されるメラニンの量も減り、白髪として生えてくるというメカニズムがあります。皮膚の1㎟あたり約1000~1500個程存在するメラノサイトからメラニンが生成されるまでの詳しい工程を見ていきましょう。
メラニンが生まれるまで

メラニンは本来、紫外線から真皮を守るために生成されます。髪の毛の色が黒いのも頭皮を紫外線から守ろうとする働きによるもの。
このメラニンを生成できる細胞は「メラノサイト(色素細胞)」だけになります。
まず、メラノサイト内に存在するMITF遺伝子からメラノサイトやチロシナーゼにメラニンの生成を促します。指令を受け取ったチロシナーゼはアミノ酸の一種であるチロシンを原料としてドーパという化合物に変化させドーパキノンへと反応を行っていき、最終的にはメラニンを生成します。
チロシナーゼやチロシンはメラニン生成には欠かすことのできない要素なので詳しくは下記でご紹介します。
チロシン
チロシンはアドレナリンやドーパミンを生成するアミノ酸の一種。甲状腺ホルモンの材料にもなり、不足すると脳機能障害やうつ病のリスクが高まります。バナナやアボカド、リンゴ等、変色しやすい果物に多く含まれています。こういった果物は放っておくと黒っぽく変色しますが、これはチロシンが空気に触れメラニンを生成することで起こる変化です。チロシンは食べ物以外にもサプリメントから摂取することもできますが、あまり摂りすぎるとシミの原因にもなるので気になる方は注意してください。
チロシナーゼ
チロシナーゼはメラニン生成に関わるメラノサイトだけが持っている酸化酵素の一種。空気中の酸素と合わさる事により、チロシンをメラニンへと変えていきます。このチロシナーゼの数は年齢を重ねるたびに減っていくため、「加齢による白髪」の原因にもなります。チロシナーゼの働きを活発にさせる栄養素は、ミネラルの『銅』。銅を多く含む食品には大豆、ゴボウ、ニンニク、イカ、カニ、プルーン等があります。
メラニンが髪の毛を着色するまで

1期~4期のステージの中で少しずつメラニンを生成しながら肥大化していき長径500nm~700nmにまで成熟しメラノサイトの樹枝状突起の先端に移動していきます。
最終的にはメラノソームごと毛母細胞に取り込まれ、毛髪形成の際に黒い髪を生やすことになります。
3. 白髪の予防・対策に必要なこととは?
ここまでメラニンが髪の毛に取り込まれるまでの過程を見てきました。白髪を減らしたり予防したりというのに効果的な対策方法は、実はそんな過程から見つけることができるのです。
ここからは白髪の予防や対策を考える上で必要となるチロシンの摂取方法や、その要素を効率よく髪の毛に届ける方法についてまとめてみました!
肝機能を高めよう!

チロシンなどの芳香族アミノ酸はサプリメントや食物からの摂取が可能ですが、芳香族アミノ酸は肝臓によって代謝されるため、肝機能が正常に働いていないと正常な効果は期待できません。肝機能の向上を目的とした対策をあげてみました。
①バランスの良い食事
肝機能向上のためには細胞の構成主体であるタンパク質を多く摂る必要があります。大豆製品や鶏肉、卵などを積極的に食事に取り入れ、食後はなるべく30分~1時間は横になり安静することが大事です。
②普段から水分を取ることを意識する
肝臓は解毒や排泄を行う機能ですのでアルコール等の大量摂取はもちろん危険ですが、普段の飲む飲み物でも効果は変わってきます。緑茶やコーヒー等は、利尿作用が期待でき肝機能を高める効果が期待できるとされています。カフェイン系の飲み物が苦手、という場合は水を意識して多く飲む事を心掛けてください。
血流に注意!

チロシンを効率よく毛母細胞に送り届ける為に大事な要素として血流の状態が挙げられます。良好な血圧や血流はメラノサイトの活性化にもつながります。血流の向上に向けた具体的な対策をあげてみました。
① 動物性脂肪に気を付ける
肉類は人間にとって重要なたんぱく源ですが、血流を良くするためには魚を食べることの方が望ましいでしょう。また、納豆やオクラなどのネバネバ食品、梅干しなどのクエン酸が多く摂取できる食品は血栓を防ぐ効果も期待できますので積極的に取り入れるべきでしょう。
② 適度な運動を心掛ける
適度な運動をすると、心臓が血液を強く送り出し血液の好循環が体内で行われるのでお勧めです。運動が時間の制約で難しいという方は、呼吸に意識してみましょう。深い呼吸は横隔膜の圧力が強まり静脈の血流が改善されます。適度な運動で脳をリラックスさせ深い眠りにつけるという効果も期待できるので、ぜひ試してみてください。
代謝を高める!

基礎代謝を上げることは白髪の予防や対策としてとても重要な要素となります。お肌のターンオーバーと同じように、髪の毛も細胞の活性化が健康な髪の毛へと導くからです。そんな代謝を向上するために知っておいていただきたいことを挙げてみました。
① 体温を上げる食べ物を摂る
体を温める食べ物を食べることで臓器の機能も高まり、同時に代謝も上がるとされています。代表的な食べ物に生姜、玉ねぎ、にんにく、ゴマ等があります。普段の料理にも簡単に取り入れられる食材なので試してみてください。また、ウナギやレバー、大豆食品などといったビタミンB群には代謝をサポートする効果がありますので、こちらも一緒に取り入れてみてください。
② 筋トレをする
代謝を上げる方法として最も効率的で近道なのが体全体の筋肉量をあげることです。特に太ももや大胸筋などの大きな筋肉を鍛えることは代謝の向上にとても効果的です。ジムに通う時間がない方には、自宅で簡単にできるスクワットや膝を床につけた状態で行う腕立て伏せなど、軽い負荷をかけるだけでも代謝が良くなり、白髪予防だけに限らず、太りにくい体を手に入れることができますので、ぜひ挑戦してみてください。
【本記事の要約】 本記事では、黒髪が生えるメカニズムと、それに基づいた白髪予防・対策について詳しく解説しています。 黒髪が生えるメカニズム: 1. 毛母細胞で生成される髪は本来白色 2. メラノサイトでメラニン色素を生成 3. メラニン色素が毛母細胞に取り込まれて黒髪となる メラニン生成の過程: - MITF遺伝子による生成指令 - チロシナーゼによるチロシンの変換 - メラノソームでの4段階の成熟過程 - 毛母細胞への取り込み 白髪予防・対策の3つの重要ポイント: 1. 肝機能の向上 - バランスの良い食事(特にタンパク質) - 十分な水分摂取 2. 血流の改善 - 魚類や納豆などの食品摂取 - 適度な運動と深い呼吸 3. 代謝の向上 - 体を温める食材(生姜、玉ねぎ等)の摂取 - ビタミンB群の摂取 - 筋トレによる筋肉量の増加 記事では、白髪対策には髪の生成メカニズムを理解し、体全体の健康状態を整えることが重要だと結論付けています。 |